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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の『ダンダダン』(著・龍幸伸先生)。霊媒師の祖母を持つ女子高生・モモとオカルトマニアの男子高生・オカルンが遭遇する怪奇現象との戦いを繰り広げるバトル漫画です。
ゾッとするような奇怪なキャラクターとのスピード感あるバトルシーンや高校生たちが織り成す恋模様などが人気で、様々なメディアにも取り上げられ、各コミック賞を受賞。そんな本作のアニメが2024年10月より遂に放送されます。
本稿ではモモが最初に遭遇する宇宙人・セルポ星人の情報をまとめてお届け! 強さや性格、元ネタとなる都市伝説に加え、今後の注目シーンなどを一挙にご紹介していきます。
※本記事はネタバレが含まれます。
惑星セルポからきた宇宙人。雄しかいない種族であり、独自のクローン技術で個体を増やしてきたが、生物的進化が起きず感情が消滅してしまった。生殖機能を取り戻すため人間の女性を捕まえて研究することを目論む。独自の科学技術を持っており、他の宇宙人とも交流がある。
セルポ星人は念力を使い、捕まえたモモの脳波をコントロールしたり、「六根」という技で相手を攻撃・防御したりすることができます。また、「セルポ式測量法」という技では直接触れずとも相手を捕えることが可能です。
加えて、セルポ星人三人で念力を合わせた「すごいゾーン」では、さらに強い力で相手を押さえつけることが可能で、その中では立ち上がることすら難しいほどの圧力となります。ちなみに、戦闘モードの時は縞模様のような柄の奇妙な姿に変貌します。
とはいえ、宇宙人としての戦闘能力はそれほど高くはないセルポ星人。彼らの武器は高い科学技術とそれらを生み出す頭脳です。モモやオカルンなど特殊能力を持った者だけが入れる虚空を生み出す装置やUMA同士を合体させる通身ケーブル、戦闘用シミュレーターなど様々な装置やマシンを保有しています。
その高い知能で戦闘力の高い他の宇宙人を雇用したり、UMAを改造して戦闘に使ったりと不足している戦闘力を補強。他種の宇宙人とも交流があるようです。
モモやオカルンにとっては自分たちの性器を狙う危険な存在ですが、自分たちにない生殖機能を技術によって取り戻そうとする研究熱心な姿勢は、ある意味とても人間的だと言えるでしょう。
クローン技術によって個体を増やしてきたために喜怒哀楽の感情や葛藤といった心を失ってしまったセルポ星人。そのため常に無表情で淡々としています。さらにどの個体も寸分違わず同じ表情をしており、その不自然さが彼らの不気味さの要因といえます。クローンで種を増やしてきた彼らは、姿だけでなく思考を含む内面も全く同じものを持っているのです。
同じ姿かたちをしているセルポ星人ですが、どうやら個体ごとに名前はあるよう。セルポ6郎は宇宙を侵略する集団「深淵の者(クル)」によって襲撃された際に唯一生き残ったセルポです。
6郎は、モモたちと協力して「深淵の者」を討伐し、無事に仲間を取り戻しますが、モモたちと共闘する中で、自我が芽生えてしまい「不良品」として仲間から追放されてしまいます。
他のセルポ星人と違い、瞳に感情があり、表情にも変化がある6郎。それは間違いなくモモとの関わりから生まれたものです。セルポ星人が失った感情は、地球人から生殖機能を奪って研究するよりも、他者との関わりを増やした方が取り戻せるように思えます。
しかし、独自の考えを持った6郎を受け入れず追放してしまったセルポ星人たちがそのことに気づくのはなかなか難しそうです。
セルポ星人の元ネタは「プロジェクト・セルポ」だと思われます。「プロジェクト・セルポ」とは、1960年代にアメリカ政府が秘密裏に行ったと言われている極秘計画のことです。
1947年、アメリカにUFOが墜落し、生き残った一人の宇宙人をきっかけに計画がスタート。アメリカは惑星セルポへ計12人の交換留学生を送ったと言われています。ちなみに彼らが使う技「六根」は仏教用語のようですが、「プロジェクト・セルポ」と関連があるかは不明です。
ある日突然、外宇宙から来たと思われる侵略者たちに襲撃され、知識や技術データを全てを奪われたセルポ星人たち。唯一生き残ったセルポ6郎は、モモたちと接触し侵略者たちの討伐に加勢します。
初めはバラバラに行動しているところを奇襲されたために負けてしまったモモたちでしたが、6郎の協力のもと修行し、来たる侵略者たちを迎え撃つことに。
そして迎えた決戦の日。アイラやジジたちが応戦している間に、モモと6郎は侵略者たちの入り口となっているゲートを閉じるため転送装置の元へ向かいます。当然敵はモモたちを襲撃しますが、6郎が盾となりモモを守ります。しかし激しい攻撃は防ぎきれず6郎の身体はどんどん傷だらけに。
そこへ仲間・バモラが助太刀に入りますが、敵に腹部を貫かれ瀕死状態となってしまいます。モモが必死に止血するバモラに、6郎はモモに使おうと温存していた救命剤を投与し、バモラは一命をとりとめます。
ところがその直後、6郎は力尽きてしまいます。気を失う直前、敵に奪われた自分たちのデータをすべて消去するようモモに言い残した6郎。モモは、自分とバモラを助けてくれた6郎に「セルポは嫌いだけど6郎は嫌いじゃない」とその頼みを引き受け、決意が宿った瞳で敵と対峙するのでした。
セルポ星人を演じるのは中井和哉さん。1967年11月25日生まれ、兵庫県出身。『ONE PIECE』のゾロ役をはじめ、『銀魂』の土方十四郎役など様々なキャラクターを演じています。
無表情かつ無感情なところがなんとも不気味なセルポ星人。原作第1話の初登場シーンを読んだときにゾッとした感覚を今でも覚えています。アニメではどのような演出で登場するのかとても楽しみです。
怪奇な存在として描かれるセルポ星人ですが、自分たちに欠けているものを他種族をヒントに研究して克服しようとするところは、動物を使って様々な研究を行う私たち人間と同じ思考であり、ある意味人間と似ている種族なのかも。そんな視点でセルポ星人を見てみるのも面白いかもしれません。
作品名 | ダンダダン |
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スケジュール | 2024年10月3日(木)〜 MBS/TBS系28局「スーパーアニメイズムTURBO」枠にて |
あらすじ | 霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕! |
キャスト | モモ<綾瀬桃>:若山詩音 オカルン<高倉健>:花江夏樹 星子:水樹奈々 アイラ<白鳥愛羅>:佐倉綾音 ジジ<円城寺仁>:石川界人 ターボババア:田中真弓 セルポ星人:中井和哉 フラットウッズモンスター:大友龍三郎 アクロバティックさらさら:井上喜久子 ドーバーデーモン:関智一 太郎:杉田智和 花:平野文 |
スタッフ | 原作:龍幸伸(集英社「少年ジャンプ+」連載) 監督:山代風我 シリーズ構成・脚本:瀬古浩司 音楽:牛尾憲輔 キャラクターデザイン:恩田尚之 宇宙人・妖怪デザイン:亀田祥倫 色彩設計:橋本賢 近藤牧穂 美術監督:東潤一 撮影監督:出水田和人 編集:廣瀬清志 音響監督:木村絵理子 アニメーション制作:サイエンスSARU |
主題歌 | OP:「オトノケ」Creepy Nuts ED:「TAIDADA」ずっと真夜中でいいのに。 |
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。