2ページ目：『アオのハコ』蝶野雛の恋が切なすぎる理由

雛の恋がどうなっていくのか知りたい！今後の展開が待ちきれない！そんな方のためにここからは雛の恋の行方をお伝えします。

諦められない性格の雛（原作第44話）

先ほどもお伝えした通り、大喜のひと言で成就が難しい恋だとしても挑戦することを選んだ雛。しかし、積極的なアプローチをするも、大喜はなかなか女の子として雛のことを見てくれません。

いつまでも変わらない関係を変えるため、雛はついに大喜に告白。しかし、千夏のことが好きであることを知っている雛は、「今すぐ返事はいらない」と告白の返事をもらわず、これからは「大喜のことが好きな子として見てよ」と伝えます。
　

誠実な大喜だからこその結果

告白の効果は抜群で、雛を意識し始めた大喜。しかし、あくまでも大喜が好きな人は千夏ただひとり。それにも関わらず、雛を女の子として意識してしまうどっちつかずな自分にもやもや。そしてとうとう大喜は「雛とは付き合えない」と告白の返事をします。

自分を好きになってくれるまでは返事をもらわないつもりだった雛は食い下がるものの、大喜はこの状況では千夏に向き合うことができなかったこと、中途半端な態度が雛を傷つけていると思うことを話し、心を痛めながらも雛を突き放します。

人によっては、相手の好意に甘えて長い間返事をせずにいたり、他に好きな人がいても試しに付き合ってみたりすることもあるでしょう。しかし、誠実な大喜は雛との関係が壊れてしまうことを覚悟したうえできっぱりと返事をしました。大喜の誠実なところを好きになった雛は、その誠実さによって振られることになったのでした。

雛の恋が成就するにはどうすればよかった？

失恋して号泣する雛の姿を見ていると、どうすれば恋が成就したのか、どうしてもそんな「たられば」話をしたくなってしまいます。

そもそも大喜と雛は親友で、相手のいいところをたくさん知っていました。雛に告白されてから女の子として意識し始め、彼女に揺れているところを見ると好きになる可能性は十分にあったと考えられます。

大喜が千夏のことを意識し始めたのは中学二年の頃ですが、その時はうっすら意識したくらいで、本格的に好きになるのは中学三年の部活引退後、高校バド部の朝練で毎朝千夏に会うようになってから。それまでに雛が大喜にアプローチをしていれば結果は変わっていたかもしれません。

誠実な大喜なので、一度雛を意識したり好きになったりしたならば、きっと千夏に揺らぐこともなく、雛のことを彼女として大切にしたことでしょう。そんなパラレルワールド的な物語も見てみたいです。

失恋したあとの強く美しい雛にも注目！

振られてしまいましたが、傷ついても立ち上がる強く美しい雛にもぜひ注目していただきたいと思います。ハートが砕かれるような失恋は新体操の演技にも支障をきたしそうなものですが、むしろ彼女は絶好調。失恋ごときで精細さを欠くほど彼女はやわな選手ではありません。

とはいえ、心の傷は深く、大喜との関係に悩む日々を送る雛。それでも悩んだ末に彼女が出した結論は、友達に戻ることでした。失恋を思い出にして、優しくて誠実な大喜と友達として付き合っていく道を模索することにしたのです。

それは強い精神力がなければ難しいことですが、雛はもともと強い精神力を持っているわけではなく、強くあろうとしているのです。そんなどこまでも頑張り屋さんな彼女に、私は気高い美しさを感じずにはいられません。いつか彼女が大喜以上に好きになれる相手と幸せな恋をすることを心から願っています。