何故?『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』から『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』へ視聴者の大移動が起きているのか?
2023年11月(真生版は2024年)に公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』から2024年12月に公開された『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』へ視聴者のスライドが起こっているのをご存知でしょうか?
私自身もスライドした側の人間。同じように『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のファンの方が『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』の作品を気になっている様子をSNSを通じて知る機会もあり、「どうしてなのだろう?」と感じていました。
なので、今回は本題について改めて考察していこうと思います。
考察1:作品の共通点とは
まずはじめに、『ゲゲゲの鬼太郎』『忍たま乱太郎』といえば一度は観たことがある(そうでなくとも名前は知っている)方が多いのではないでしょうか。『ゲゲゲの鬼太郎』は1968年より、『忍たま乱太郎』は1993年より現在までアニメが放送されており、両方とも“国民的アニメ”と言っても過言ではありません。
また、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は2023年11月17日(金)に劇場公開、さらに真生版が2024年10月4日(金)に公開されています。一方の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』は2024年12月20日(金)に公開されています。
どちらも2024年(しかも10月と12月というわりと近いタイミング)に公開されているアニメ映画であることから、「馴染みあるアニメの劇場版が今年は2本公開される」と感じていた視聴者も多くいたのかもしれません。
本作品たちは以前より作品を追っている方はもちろんのこと、普段あまり作品には触れていなかったけれど「知っている作品だし、なんとなく気になる」というライト層の視聴者も巻き込んでいたのではないかと推測しています。
かくいう私もライトな入り方をしており、「昔から知っている作品の劇場アニメがあるんだ」という興味からこの2本の映画を鑑賞したタイプの人間でした。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の鑑賞後に、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』にも興味を持ったのには理由があるのですが、その理由は【考察2】でお話ししていきたいと思います。
考察2:メインキャストに関俊彦さんが出演されている
声優の関俊彦さんは『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』では「鬼太郎の父」と演じられており、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』では「土井半助/天鬼」を演じられています。いづれのキャラクターも物語における重要人物であり、声を担当された関さんのお芝居にも注目が集まりました。
私は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の鬼太郎の父と水木(CV:木内秀信さん)のあまりにも悲しく切ない運命に幾度となく涙を流したのですが、「こんなにエモーショナルで心に訴えかけてくるお芝居をされた関さんが次は『忍たま』の映画にご出演される」「しかも、“土井先生ときり丸”にスポットがあたった物語とのことで、どんなお話しなのだろう。きっと泣けるぞ!」という考えもあり、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』にも興味を持ち始めました。
鬼太郎の父と土井半助のキャラクター性は似ている?
では、そんな関さんが演じる「鬼太郎の父」と「土井半助」のキャラクター性は似ているのかという部分について考えていきたいと思います。
鬼太郎の父は、文字通り鬼太郎の父親で大人なキャラクターです。幽霊族という人間とは異なる時間を生きている人物でもあり、愛情深く泣き上戸という人間よりも人間らしい一面もあれば物事を冷静に考えることのできる性格であると個人的には感じています。
一方の土井半助は“土井先生”の愛称でお馴染みの、忍術学園一年は組の教科担当担任。厳しさと優しさを兼ね備えたプロの忍者であり、乱太郎・きり丸・しんべヱをはじめとするは組のみんなの担任の先生です。ある事情からきり丸とは家族のような絆で結ばれています。
この2人のキャラクターを見ていると、大人であるということはもちろんのこと、「愛を持っている」という部分がキャラの根幹にあるような気がします。この部分が似ている部分なのではないのかなと。
両作品とも、その愛の部分が物語においても重要になってくる、とも感じています。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は“鬼太郎の父と水木”の絆を描いているし、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』は“土井先生ときり丸”の絆が描かれています。そもそもの作品のテーマが近いのかもしれませんね。どちらも愛情深い作品であることは間違いありません。
今まで述べた背景を踏まえた上で、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』にハマりやすい方は『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』にもハマりやすいのかもしれないと考えました。なので、視聴者がスライドしやすい(もちろん、キャラクターのビジュアルやお目当てのキャラ・キャストさんがいるから、など様々な要因から入った方もいることでしょう)。逆にいえば『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』にハマりやすい方は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』も好きな可能性が高いと思います。
SNSを見ていると、両作品のクロスオーバーの世界線の絵を見かけたりもしますが、そういったファンアートが多いのも、両作品が好きな方が多いからなのかなと。
作品情報
あらすじ
タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門との決闘に向かった後、消息を絶ってしまった土井先生―
山田先生と六年生による土井先生の捜索が始まる中、担任不在の一年は組では、タソガレドキ忍軍の忍び組頭・雑渡昆奈門と、尊奈門が教壇に立つことに!
そんな中、きり丸は偶然、土井先生が置かれた状況を知ってしまうのだった。
一方、土井先生捜索中の六年生の前に突如現れたのは、ドクタケ忍者隊の冷徹な軍師・天鬼。
その顔は、土井先生と瓜二つで―
忍たま達に立ちはだかる最強の敵を前に、今、強き「絆」が試される。
果たして乱太郎、きり丸、しんべヱたちは、土井先生を取り戻すことができるのか―??
キャスト
(C)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
作品情報
あらすじ
目玉おやじは、70 年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について…
昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。
龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。
それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものはー
キャスト
(C)映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」製作委員会