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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の龍幸伸先生による漫画『ダンダダン』。宇宙人を信じない女子高生・モモと幽霊を信じないオカルトマニアの同級生・オカルンが数々の怪奇と遭遇しバトルを繰り広げる物語です。
本作は、おぞましい姿で恐怖を搔き立てる「オカルト」、モモたちが超能力や妖怪の力で痛快な戦いっぷりを見せる「バトル」、高校生たちの甘酸っぱい恋模様が描かれる「ラブ」という三つの要素で構成されており、読者はまるでジェットコースターのように感情を揺さぶられます。
更新日である火曜日、12月31日には最新179話が公開されました。前話では襲来した鋼鉄ミノタウロスを撃破したモモの祖母・星子たちに読者が大興奮。予想の付かない今後の展開に注目が集まっていました。
本稿ではSNSに寄せられた反響や感想とともに、179話の内容や今後の展開について考察していきたいと思います。
※本稿には、179話のネタバレが含まれますのでご注意ください。
本話では注目されていた事の真相が明らかとなりました。鋼鉄ミノタウロスの正体はスーツを着た普通の男性で、彼は指示役の連絡を受け、星子を襲ったのだと言います。指示役は複数人に同じ連絡をしており、星子たちが取り逃したキョンシー使いと男性は全く面識はなく、指示役とも会ったことはないと言うのです。
「これは……闇バイトか……さすがです龍先生」「現代の闇を合わせてきてるなあ」「大晦日に闇バイト風刺の話か……すごい……」と今年を代表する事件を風刺する内容に多くの読者が感嘆の声を上げています。
しかし、闇オカルトバイトに手を染めた男性にものっぴきならない事情が。最愛の妻が余命1年を宣告され、どんな願いも叶えてくれるという闇オカルトバイトに藁にもすがる思いで手を出したのです。情に厚い星子は彼の事情を聞き、仕方がないといった表情に。読者からは「人の弱みに付け込んでるの悪辣」「やり口エグいて」「男性もやったことは悪いけど報われて欲しい」「星子優しすぎるよ」などの感想が寄せられています。
その後、実行犯の男性は身柄を警察に引き渡されることに。そこへ登場したのが、呪行李編で登場した警察官・部賀。同編で高い人気を誇ったキャラクター・頭間雲児の保護者でもあるため、「ベガさん出てきて嬉しい!」「ズマの再登場期待しちゃう〜」「ベガさん出てきたしいい感じに全部繋がってきそう」と読者は今後の展開に期待を高めています。
実行犯の男性は、能力を奪うことができる小刀を所持していました。これを使い、妖怪の力を集めるように指示されていたのです。また、彼を指示役と引き合わせたのは彼の会社の同僚だというのですが、その同僚は会社の名簿にもなく、他の同僚に聞いても知らないと。そして、男性自身が顔も服装も思い出せないと語ります。この特徴は間違いなくサンジェルマンでしょう。やはり彼はモモだけでなく、星子からも力を奪おうと暗躍しているようです。
同じ頃、モモたちの高校に教師として潜入しているサンジェルマン伯爵は、職員室のPCである動画を視聴中。その動画は2007年ごろにネット上で流行った「ゆっくりしていってね」を模しており、「ゆっくり実況見てんの草w」「ゆっくり解説の登場はまさかすぎるw」と沸く読者。
しかし、それ以上に注目を集めたのは動画の不可解な内容。バスケットボールの名前の由来が説明されており、「桃を入れる籠(バスケット)をゴールに用いたことから」との記載が。「桃ってモモのこと?」「モモを捕まえる仕掛けが出来てるっていう暗示?」「動画が意味深で不気味だ……」と不穏な空気を感じ取る読者もいるようです。
暗躍を続けるサンジェルマン伯爵。星子ですら「だいぶヤベェ感じがする」と言うほど着実に不穏な雰囲気が増しています。巧妙に姿を隠して攻撃を続ける敵を相手にモモや星子はどう戦うのでしょうか。来年も『ダンダダン』から目が離せません。
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。