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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』は『落第忍者乱太郎』第37巻と第42巻がベースとなっています。
第37巻は「宿題バラバラ大事件」から始まり、オーマガトキ城に関する六年生の宿題があたってしまった喜三太は行方知れずに。オーマガトキ城とタソガレドキ城は戦の真っ只中で、喜三太が行ったオーマガトキ城は落城寸前という状況です。選抜チームが救出に向かい、その他の一年生も校外学習として忍務に参加することになります。
第42巻では、オーマガトキ城とタソガレドキ城の戦に巻き込まれた園田村の手潟さんが忍術学園へ。一年は組が調査するうちに二つの城のとある事実が浮かび上がり、手潟さんの依頼を受けた忍術学園は上級生を含む忍たまたち、先生方も一緒に忍務にあたります。
映画では宿題バラバラ大事件の喜三太救出作戦と、手潟さんの依頼による忍術学園総出の忍務が同時進行で展開。実は第37巻にて合戦場で登場した謎の人物が第42巻で明らかになるのですが、この繋がりはストーリーに大きく絡む重要ポイントでもあり、映画でもその出会いと再会がドラマティックに描かれています。
戦が身近にある厳しい環境でありながら、生まれたその時代を逞しく生きている忍たまたち。どんなにシリアスでも、乱太郎たち一年は組の生徒は変わらず明るくいてくれる。落ち込むことがあっても仲間が気づいてくれて、“どうしたの?”“何かあった?”と心配してくれる。友達が無事だと知ったらどんなに疲れていても笑顔を見せる子たちであり、心に嘘がなく、時に私たち大人にとっても救いになります。
『落第忍者乱太郎』第37巻では“忍者の三禁”について解説があります。忍者の三禁とは酒と欲と色のこと。“色”の意味ついて、は組の生徒は“かわゆい女の子”と教わっていますが、安藤先生によると色には“こころの優しさ”という意味もあるのだそうです。
“優しさ”は忍者にとっては危険と言われており、忍務のためには友達を見捨てなければならないときもあるのだといいます。けれど土井先生は一年は組の“優しさ”を否定しません。“一年は組は忍者の三禁を破ってばかり”と言われた土井先生は、“は組全員がすぐ人助けにはしる忍者失格のよい子たち”と返しています。
映画でも一人に危険が迫るとその場にいたみんなが身を挺して守ろうとしている場面があり、確かにそういう面では忍者に向いていないのかもしれません。
だけど誰か一人のために尽くし、困っている人がいたら助けるのが当たり前という思いやりを持つ一年は組の子たちを見ていると、胸が熱くなり心が温まる気がします。
著者:尼子騒兵衛
出版社:朝日新聞出版
レーベル:あさひコミックス
巻数:全65巻
原作:尼子騒兵衛「落第忍者乱太郎」(朝日新聞出版刊)
監督:藤森雅也
脚本:浦沢義雄
アニメーション制作:亜細亜堂
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作:アニメ版「忍たま乱太郎」製作委員会
乱太郎:高山みなみ
きり丸:田中真弓
しんべヱ:一龍斎貞友
山田先生:大塚周夫
土井先生:関俊彦
学園長:辻村真人
ヘムヘム:島田敏
喜三太:杉本沙織
庄左ヱ門:東さおり
団蔵:江森浩子
虎若:小林優子
金吾:渡辺久美子
兵太夫:むたあきこ
伊助:佐藤智恵
立花仙蔵:保志総一朗
七松小平太:神奈延年
潮江文次郎:成田剣
中在家長次:渋谷茂
食満留三郎:鈴木千尋
綾部喜八郎:石田彰
田村三木ヱ門:安達忍
滝夜叉丸:高木渉
斉藤タカ丸:浪川大輔
伏木蔵:坂戸こまつな
不破雷蔵:金丸淳一
小松田秀作:山崎たくみ
山田利吉:岡野浩介
吉野先生:藤原啓治
木下先生:石井康嗣
松千代先生:荒川太朗
戸部先生:掛川裕彦
斜堂先生:鈴木清信
厚着先生:中嶋聡彦
手潟潔斎:田村亮(ロンドンブーツ1号2号)
大間賀時曲時:河本準一(次長課長)
稗田八方斎:飯塚昭三
佐武昌義:大滝進矢
照星:松山鷹志
清八:鈴村健一
黄昏甚兵衛:宝亀克寿
佐茂有南:大友龍三郎
雑渡昆奈門:森久保祥太郎
諸泉尊奈門:代永翼
善法寺伊作:置鮎龍太郎
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。