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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
京極夏彦の人気小説を原作に現代の東京に迷い込んだ気弱な妖怪の冒険を描いた、日本初の長編3Dオリジナルアニメーション映画『豆富小僧』。公開前日となる4/28(木)、渋谷AXにて“公開前夜祭”と題したライヴイベントが開催され、1500人のファンが集結。
挿入歌を担当するAqua Timez、HALCALI、LGMonkeesこと山猿、主題歌を歌ったSCANDALの4組が出演し、飛び入りで豆冨小僧の声優を務めた深田恭子さんが登場と観客は終始大興奮! 大きな盛り上がりを見せた一大イベントとなった。
オープニングを飾ったのはAqua Timez。太志(Vo.)が「渋谷AX、思いっきりアガろうぜっ!」と客席を煽ると大きな歓声が沸き、“Let Loose”、“決意の朝に”、挿入歌“銀河鉄道の夜”と序盤とは思えない熱気を巻き起こす。
続く仙台出身のアーティスト・山猿は、挿入歌“宝島”、“3090”、“未来列車”を熱唱。東日本大震災で実際に被災したという彼は、前を向いて進みたいと語り「もしも周りに困っている人がいたら──ありったけ優しくしてあげてください」と心からのメッセージを伝えた。
映画にちなんでホンモノの豆腐を持って登場したHALCALIは、その衣装のようにカラフルでキュートなステージを展開。 “今夜はブギー・バック”、初披露となる挿入歌“SO JOY BOY”、“マーチングマーチ”を歌い上げたのだった。
この日のトリを飾ったのは人気ガールズ・バンドのSCANDAL。
“EVERYBODY SAY YEAR!”、“DOLL”とダイナミックなバンド・サウンドで観客の熱い歓声を浴びたあとは映画のトークコーナーへ。HARUNAが「ここでスペシャル・ゲストをお呼びしたいと思います!!」と勢いよく伝えると、ブライトなワンピースに身を包んだ深田恭子さんが登場!
続けて『豆冨小僧』のプロデューサー・小岩井氏と映画の主役・豆冨小僧がステージに現れ、客席からは驚き混じりのどよめきが大歓声と共に立ち上った。
2階でライヴを見ていたという深田さんは「皆さんと一緒に盛り上がりました」と語り、初対面のSCANDALについては「みなさん凄くパワフル。格好よくてキュートでした」と褒め言葉を送った。一方、小学生のころから深田さんの大ファンというSCANDALのHARUNAは、「豆冨ちゃんの声にやられました! 映画内で流れる豆冨ちゃんの歌が私たちは大好きなんです」と憧れの深田さんを前に瞳をキラキラと輝かせた。
また、今日出演したアーティストを始め、映画を彩る色とりどりの楽曲について感想を聞かれた深田さんは「どの曲も一番の主題歌。映画の世界観、豆腐ちゃんの大冒険をさらに引き立ててくれていて、凄く感謝してます」と柔らかな表情で応え、会場からは大きな歓声が送られたのだった。
そんな客席の様子を感慨深い表情で見つめる小岩井氏は、制作期間を振り返り「この豆腐小僧、制作に6年間掛かってきました。僕の中では6歳の子供のような存在ですが、ようやく明日手放すことが出来ます」と万年の想いを伝え「今は、子離れできない親の気持ちです。こんなに皆さんに温かく見つめられて旅立てる豆腐小僧は幸せものです……!」と言葉に力を込めた。
トークコーナーのあとは、興奮冷めやらぬまま、SCANDALが映画主題歌“ハルカ”、“SAKURA グッバイ”を熱演。爽やかなエンディングを飾ったのだった。
<取材・文:逆井マリ>
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。