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- 塚越淳一
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毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。連載第22回は、TVアニメ『ラブライブ!』より、μ’sの「Snow halation」です。
「Snow halation」で忘れられないのが、ライブで観客がいっせいにペンライトをオレンジにするところですよね。あの景色をはじめて見た時、ものすごく感動したのを覚えています。
もはや説明不要の名曲ではありますが、塚越さんはどう聴くのでしょうか。
『ラブライブ!』シリーズに関しては、みなさんのほうがよっぽど詳しいだろうし、それぞれのベストナンバーがあると思うので、ここは自分の思い出の一曲を紹介したいと思う。
というにはあまりにベタなセレクトかもしれないが、「Snow halation」。この曲は、μ'sを代表する1曲だろう。僕がこのシリーズで話せる自慢といえば、デビュー曲からチェックしていたことと、12年2月の横浜BLITZのライブに行っていたことくらいだ。取材もほとんどしたことがない。
確か初めて知ったのは、日本最大のレンタルショップ、新宿TSUTAYAのアニメコーナーだったのだが、下のほうにちょこんとデビュー曲「僕らのLIVE 君とのLIFE」が置いてあったのを覚えている。それを聴いてから曲の良さにどハマりして、個人的に置い続けていたのだが、中でも「Snow halation」はそのアニメーション映像含めて、ものすごく良い曲だなぁと思っていた。ちなみに横浜のライブでは本編ラストで歌っていた。
この曲の良さは、やはり王道感だろう。イントロのピアノと余韻感がハンパない鈴の音を聴いたとき、作り手は勝利を確信していたと思う。そんなしっとりと静かなスタートから、だんだんと高揚感が高まっていき、サビではストリングスも入ってきてついに最高潮に達する。AメロからCメロ(サビ)まで、切なさから最高潮までをしっかりと積み上げていく。この落差もこの曲の魅力のひとつだ。しかもそれはメロだけではなく歌詞も同じで、サビではこの切なさに“Snow halation”っていう名前を付けている。
ああ、なるほど、前半から感じていた切なさには名前があったんだ、それが“Snow halation”なのかーー!みたいな。メロディから歌詞、アレンジまで何から何まで完璧だ。ちなみに“賛成”って、ずっと“サンセット”と聴こえてたけど、こういう言葉の選び方も天才的で、メロに乗ったときの気持ちよさを追求しつつも、意味も伝わりやすいところがすごすぎる。
しかもこんな完璧に仕上がっているのに、ライブではちゃんとファンの参加したい欲まで叶えてくれている…。
そしてこの曲は、その後スタートしたアニメで流れ、さらにライブで何度も歌われることによって(大雪が降った時もありました)どんどんと成長していき、いつの間にか神曲になった。
で、なぜここで僕がこの曲を上げたのか。それにはもうひとつ大きな理由があって、今年1月に行われたシリーズ9周年を記念したイベント『ラブライブ!フェス』で歌ったのだ。それを聴いたときは得も言われぬ感動が押し寄せてきた。あれはちょっと忘れられない。神曲は、リスナーと思い出を重ねていきながらさらにさらに大きくなっていくのだなぁとしみじみ思った。天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ