この記事をかいた人
- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
――宮野さん自身、ぜひ注目して欲しいやり取りがあれば教えてください。
宮野:ムゲンとシャオヘイが仕方なく一緒に行動しなくてはいけなくなるシーンがありますが、その中でちょっとずつお互いの人となりが見えてきたり、ちょっとした旅をしたりするときの2人のやり取りがとても微笑ましいんです。
そこではムゲンのやさしさも強く感じられますし、ちゃんとした師弟関係ではありませんが、修行していく中でシャオヘイもムゲンにちょっとずつ近づいてくれて。
そのときに見せるムゲンのフッと笑う表情が僕は大好きです。無口でクールなムゲンの中に見えるやさしさがそのシーンの中でたくさん含まれていると思います。
――ムゲンとシャオヘイが一緒に旅をするシーンは本当に愛おしくて何度も見たくなります。
宮野:またシャオヘイが無邪気で可愛いですよね。美味しいものを食べると「ん~!」と1つ1つに大きなリアクションをしてくれるので、もう可愛くて仕方がないです。
――宮野さん自身もシャオヘイに惹かれました?
宮野:はい。屈託のない姿で全力で自分を表現してくれるシャオヘイは本当に可愛いですし、放って置けないです。
――シャオヘイもそうですが、ムゲンにとってはフーシーも大きな存在です。
宮野:やっぱりフーシーの存在は、大きなテーマだと感じました。
何が正しくて何が正義なのか、彼の信念や理念が決して間違っているとは言えませんが、それが暴走してしまうと世界を脅かす存在にもなり得る。
ただ、フーシーも最初から人間を敵対視していたわけではないと思うんです。でも、だんだん人間のエゴに嫌気が差して変わってしまった。そういうところにも普遍的なテーマ性を感じました。
――普遍的なテーマを感じさせる本作から、宮野さんはどのようなメッセージを訴えている作品だと思いましたか?
宮野:“人の在り方”でしょうか。この作品を見て自分は生きていく上で何を選択すべきなのかというところを考えさせられると思います。
それは自然に対してもそうですし、人に対してもそう。ムゲンが作中でシャオヘイに“善悪がわかるか”と言うシーンがありますが、それが結構大きな問いかけになっているんじゃないかな、と。
――何も知らない真っ白な状態のシャオヘイだからこそ、自分の考えを押し付けずに問いかけることが大事なんですね。
宮野:また、シャオヘイは純粋無垢なので、ある意味、危険な存在ですよね。すべてを吸収し、それをどうするかは自分次第でしかないからこそ、シャオヘイはフーシーにもムゲンにもなり得る存在だな、と。
シャオヘイは居場所を奪った人間を恨む感情は最初から持っているので、ただ単純に“嫌だな”と思ったぐらいの気持ちでもそれが膨らんだ結果どうなるのか、それはフーシーに表れているかもしれません。
自分がどれを選んでいくのかが重要なメッセージになってくると思います。
[取材・文/福室美綺 写真/塚越淳一]
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。
『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』
11月7日(土)全国ロードショー
原作/監督:MTJJ
プロデューサー:叢芳氷、馬文卓
副監督:顧傑 脚本:MTJJ、彭可欣、風息神涙
作画監督:馮志爽、李根、周達炜、程暁榕、鄭立剛
美術監督:潘婧 撮影監督:梁爽 3D監督:周冠旭
音響監督:皇貞季 音楽:孫玉鏡
制作会社:北京寒木春華動画技術有限公司
音響監督:岩浪美和 音響制作:グロービジョン
配給:アニプレックス、チームジョイ
シャオヘイ:花澤香菜
ムゲン:宮野真守
フーシー:櫻井孝宏
◆『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』
中国漫画家、アニメ監督のMTJJ及び寒木春華(HMCH)スタジオが制作したアニメ作品。2011年3月17日から動画サイトで公開した後人気が上昇し続け、中国アニメを代表する作品まで成長。劇場版が制作され、中国国内での興行収入は3.15億 人民元(約49億円)。日本国内では上映直後から高い評価を得ており、拡大公開されることとなった。
◆MTJJ(アニメ監督・漫画家)
『羅小黒戦記』の原作となるWEB版フラッシュアニメの作者。原作となるWEBフラッシュアニメはその後WEBコミック化されるが、その際の作者も同じくMTJJ。原作WEBアニメは現在bilibiliはじめ中国各配信サイトで配信されており、bilibiliにおける総配信視聴数は28話計で2.3億。
◆北京寒木春華動画技術有限公司
上記MTJJが代表を務める北京のアニメ制作会社。前身はMTJJが創設した「羅小黒戦記工作室」で、設立は2012年。原作となるWEBアニメおよび本作『羅小黒戦記』含め羅小黒シリーズの著作権を保持。
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。
森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。
そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。
フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。
その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。
フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。
戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。
なんとか逃れたフーシーたちはシャオヘイの奪還を誓い、かねてから計画していた「ある作戦」を始める。
一方、ムゲンはシャオヘイとともに、人と共存する妖精たちが暮らす会館を目指す。
シャオヘイは、新たな居場所を見つけることができるのか。
そして、人と妖精の未来は、果たして――
特典付き全国共通前売券
9月5日(土)発売
特典:シャオヘイ アクリルストラップ(数量限定)
価格:1,500円(税込)
※特典には数に限りがございます。無くなり次第、前売券のみの販売となります。
※劇場の詳細は追って発表いたしますので、公式HPをご確認ください。
公式サイト
公式Twitter(@heicat_movie_jp)
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd