劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』「トリプルH」高倉陽毬役・荒川美穂さん、歌田光莉役役・三宅麻理恵さん、伊空ヒバリ役・渡部優衣さんインタビュー|「また3人で歌える」がうれしかった劇場版
イチオシ曲は「灰色の水曜日」「イカレちまったぜ!!」
ーーこれまで歌ってきたARBのカバー曲の中で、みなさんが特にお好きな曲はどれでしょうか?
渡部:悩んじゃうなー! でもひとつ選ぶなら「灰色の水曜日」かな。今でもふとした時に頭に流れてきて、お風呂で口ずさんじゃいます。この曲はTVシリーズでは、3人がかつて友達だった小学生時代を描いたエピソード(9話)のエンディングで使われているんですけど、すごく心に残ったんですよね。歌詞の「さぁ想い出して」が、トリプルHの小学生時代とリンクする感じがして……。
荒川:同じになっちゃうけど、私も「灰色の水曜日」。TVバージョンのアレンジが特に気に入っていて、イントロから引き込まれるんですよね。「届かない想い 引き裂かれてく絆」という歌詞が9話で描かれている話や過去ともリンクしていて、泣ける曲だな……と思っています。
三宅:この曲はTVアレンジでは、AメロとBメロが陽毬のソロなんだよね。
荒川:そうなんです。切なくて悲しい気持ちがすごく印象に残っていて、何度も聞いてます。
渡部:トリプルHはイベントで生ライブをさせてもらったことがあるんですが、そこで「灰色の水曜日」を披露させてもらったんですよね。ここにいる3人での思い出も一番ある曲です。
ーー7月20日には、劇場版の歌と劇伴が収録された 劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」MUSIC COLLECTION が発売されます。「灰色の水曜日」はリアレンジ版が収録されているので、TV版との聞き比べも楽しそうです。三宅さんはいかがですか?
三宅:トリプルHで取材を受けると、「どの曲が印象に残っていますか」と聞かれることが多いのですが、全部好きで……(笑)。聞かれるたびに違う曲を答えている気がするのですが、今は「イカレちまったぜ!!」を挙げたいです。
「ROCK OVER JAPAN」もそうなんですが、「イカレちまったぜ!!」は聞いていて励まされる曲。「お前一人だけじゃないぜ」と背中を押してくれる。原曲とアレンジの方向性が近いけれど、カッコいいお兄さん(ARB)が歌っているのと、かわいい小さな女の子たち(トリプルH)が歌っているのとでは、励まされ方の違いが見えて面白いです。
この曲はTVシリーズの後半(16話「死なない男」)で使われていて、物語が進んで重たい空気になる中、初期の『ピングドラム』の雰囲気に戻るようなところがあって好き。カラオケでいまだによく歌っています(笑)。
渡部:私も一人カラオケで歌うかも! ストレス発散したいときは「イカレちまったぜ!!」歌いたくなりますね。
三宅:さっき優衣ちゃんがイベントの話をしていましたが、イベントで披露させてもらったのは「イカレちまったぜ!!」と「灰色の水曜日」の2曲なんですよ。その思い出もあります。
渡部:イベント、楽しかったね……!
ーーありがとうございました! 最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
渡部:トリプルHの新曲があるというお話が出た時に、たくさんの方からうれしい反応をいただけたんです。またこうして10年を経て新しい楽曲をみなさんにお届けできることと、10年以上ずっと愛してくださっているみなさんがいることを本当にうれしく思いました。ずっと待って応援してくださってありがとうございます。
そして、もしかしたら今回の劇場版で新たに『ピングドラム』に世界に触れる方もいらっしゃるかも。たっぷり浴びていただいて、またTVアニメに帰っていただいて、また劇場版に戻って……としていただくと、いろんな発見があると思います!
三宅:劇場版のタイトルは「RE:cycle」ですが、トリプルHの曲は「リサイクル」せずに新しい曲もかかりますので(笑)、楽しんでいただきたいです。トリプルHの曲はアニメーションと楽曲が寄り添っているので、曲単品としても作品としても愛していただけるといいなと思っています。ぜひ前編も後編も見てください!
荒川:トリプルHとしてまた新しく歌わせていただけたのは、応援してくださる方々のおかげです。アレンジもすごく素敵なので、劇場の素晴らしい音響設備の中でぜひ聞いてもらいたいです。そして、元のARBさんの曲がすごくメッセージ性のある社会派の楽曲なので、曲を聞いて歌詞を見返すと、より感じるものもたくさんあるだろうなと思っています。劇場版『ピングドラム』もトリプルHの楽曲も楽しんでいただけるとうれしいです。
[取材・文/青柳美帆子]
劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]挿入歌 先行配信中!
6/4(土)劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[前編]大ヒット御礼舞台挨拶開催!
開催日:2022年6月4日(土)
開催劇場:新宿バルト9
登壇者:豊崎愛生さん(荻野目桃果役)、上坂すみれさん(プリンチュペンギン役)、幾原邦彦監督、【司会】小泉 豊さん(渡瀬眞悧役)
劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」MUSIC COLLECTION
音楽:橋本由香利
発売日:2022年7月20日(水)
定価:¥3,630(税抜価格:¥3,300)
品番:KICA-2604~5
<収録内容>
CD2枚組/50曲収録予定
橋本由香利による新規書き下ろし劇伴楽曲やTVシリーズからリアレンジした楽曲、劇中キャラクター「トリプルH」歌唱による、ARBの楽曲をカバーしたキャラクターソングを収録!ブックレットには「幾原邦彦(監督)×橋本由香利(音楽)」によるスペシャル対談を収録予定。
【DISC1】
1 銀河は夜の水族館
2 ピーチに乗った彼女
3 僕たちの幸せ
4 ROCK OVER JAPAN -トリプルH featuring プリンチュペンギン-/歌:トリプルH featuring プリンチュペンギン
5 もうひとつの世界・記された運命
6 冠葉と晶馬・侵入
7 カレーと彼と
8 転がる乙女リターンズ
9 ファンファーレのキス
10 漂流家族
11 食卓の宇宙生命体
12 YELLOW BLOOD/歌:トリプルH
13 ファクトリー/歌:トリプルH
14 引越しタタッタ!
15 魔術・タマホマレ
16 魔術・プロジェクトM
17 もうひとつの世界・引き裂かれた日記
18 エスカレーターの女
19 スコープの女
20 ハンティングの女
21 友情と鯉と消しゴムと
22 魔術・ヒメホマレ
23 愛と革命のエチュード
24 もうひとつの世界・破壊の日
25 ロールキャベツの約束
【DISC2】
1 手のひらに乗る宇宙
2 追放と封印
3 僕と君の真実
4 Private Girl 秘め事/歌:トリプルH
5 ゆりと桃果・神さまの作った世界 「灰色の水曜日」より
6 もうひとつの世界・悪のタワー
7 灰色の水曜日 それからの私たち/歌:トリプルH
8 もうひとつの世界・黄昏
9 多蕗と桃果・籠と解放と終末と
10 もうひとつの世界・聖なる戦い
11 運命の子たち・君のために生きたい
12 AFTERʼ45/歌:トリプルH
13 運命の子たち・透明と果実と
14 冠葉と晶馬・ピカレスク
15 Just a 16/歌:トリプルH
16 ダブルHが来た!
17 運命の子たち・お願い神さま
18 MURDER GAME/歌:トリプルH
19 見つけてあげて
20 暗闇と希望の光
21 もうひとつの世界・止められない運命
22 運命の子たち・輪る果実
23 HEROES~英雄たち 運命の乗り換え/歌:トリプルH
24 ピーチに乗った彼女・きっと何者かになれる
25 運命の子たち・愛してる
※各DISCトリプルH歌唱の新規楽曲はフルサイズで収録予定。既存曲(Disc2:4曲目・7曲目・23曲目収録)は劇中使用サイズにて新たに収録予定となります。
連載バックナンバーはこちら!
『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』作品情報
公開日:[前編]君の列車は生存戦略 2022年4月29日(金)/[後編]2022年7月22日(金)予定
STORY
これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、この世界の過去と未来についての物語であるーーー。
病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。
彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。
あれから10年ーーかつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた・・・。
『輪るピングドラム』とは?
2011年7月にテレビ放送されたオリジナルアニメ『輪るピングドラム』。星野リリィ原案による個性的なキャラクターたちや、「ピングドラム」とは何なのか?という謎が謎を呼ぶ展開、クリスタルワールドなどの独特のビジュアルを使用した世界観で、放送当時大きな話題を集めた。
やくしまるえつこメトロオーケストラとCoaltar of the deepersによる主題歌をはじめ、劇中キャラクターのTRIPLE HによるARBのカバー曲など、音楽面でも高い評価を得ており、今でも多くのアニメファンの間で語り継がれている。
STAFF
監督:幾原邦彦
副監督:武内宣之
原作:イクニチャウダー
キャラクター原案:星野リリィ
脚本:幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン:西位輝実・川妻智美
色彩設計:辻田邦夫
美術:中村千恵子(スタジオ心)
アイコンデザイン:越阪部ワタル
CGディレクター: 越田祐史(スタジオポメロ)
VFX:田島太雄
撮影監督:荻原猛夫(グラフィニカ)
編集:黒澤雅之
音響監督:幾原邦彦・山田 陽
音響効果:三井友和
音楽:橋本由香利
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ラパントラック
製作:ピングローブユニオン
配給:ムービック
CAST
高倉冠葉:木村昴
高倉晶馬:木村良平
高倉陽毬:荒川美穂
荻野目苹果:三宅麻理恵
多蕗桂樹:石田彰
時籠ゆり:能登麻美子
夏芽真砂子:堀江由衣
渡瀬眞悧:小泉豊
荻野目桃果:豊崎愛生
プリンチュペンギン:上坂すみれ