映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』ラファエロ役・土屋神葉さん、ミケランジェロ役・戸谷菊之介さん、ドナテロ役・榊原優希さんインタビュー|人間との交流を望む思春期のタートルズ4人が地球の危機に立ち向かう!
ヒップホップ文化を体現したアーティスティックな世界観
ーー映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』をご覧になった感想をお聞かせください。
戸谷:収録のときはまだ未完成な状態だったので、完成した映像を見たら独特なタッチや鮮やかさがより際立って、『タートルズ』にピッタリだなと。また戦闘シーンがカッコいいし、日常シーンもみんなかわいくて。そう思えるくらい、素敵な映像でした。
土屋:どのシーンを一時停止してもイラストとして成立する画力の強さと、ストリートのグラフィティアートみたいなヒップホップの文化を体現した絵もカッコよくて。この世界観を全制作スタッフさんが共通認識を持って、1本の映画を作り上げたことに驚がくしました。
そして音楽がカッコいい! セリフがかぶる時は別々に録りますが、榊原さんがお芝居されている音声を聞きながら、原音と音楽も聞くんですけど、つい体がのってしまうので、ノイズにならないように気をつけなくてはいけなくて(笑)。
榊原:僕も予告編を見た時点で、「何で、こんなに絵が強いんだろう?」と思いました。筆の動きを感じるような鮮烈な絵でタートルズたちの物語が描かれていて。1コマを切り取って見ても、コミックスの中に挟まれているカラーページのような完成度があって、早く完成した映像を見たいと待ち遠しくてたまらなくなりました。
ーーCGアニメでよく見られる洗練されていて完成した感じではなく、未完成のような勢いがあって、ガチャガチャした感じが楽しくていいですね。
戸谷:そう感じるのは演出面の貢献もあると思います。素敵な絵に小気味いい会話のテンポと言葉のチョイスがおもしろいから、見やすさにつながっているのかなと。
土屋:細部にもこだわっていて、タートルズの4人がバラバラにしゃべるシーンでもそれぞれしっかりしゃべっているし、細かいところまで動いていて隙がなくて。だからタートルズの4人それぞれにフォーカスして見聞きしてほしいし、できれば4人全員のセリフを聞き分けてほしいので、1回1人に注目するとして、4回は見ていただかないと(笑)。
『ミュータント・タートルズ』シリーズは実写映画になることが多かったけど、今回のアニメでは細かいところまで動かすディテイルの追求と、人間の温かみを感じる手描き感もあるのがいいんですよね。
ちなみに、この映画はいろいろなコラボをしていて、吹替版日本最速上映会で訪れたグランドシネマサンシャイン 池袋でもコラボカフェをやっていたので行ってみたらめっちゃおしゃれで。お店のテーブルやイスなどの雰囲気と、この映画で漂うヒップホップのストリート感が絶妙にマッチしていて、「常駐してほしい」と願ったくらいです。
戸谷:確かに!
土屋:飲食系のコラボとは相性がいいと思うし、映画を見る前や見た後に立ち寄ってほしいです。
榊原:タートルズの好物のピザもぜひ(笑)。
ーー(笑)。また、この映画の見どころの1つはタートルズ以外のミュータントがたくさん登場することかなと。
榊原:まさに『ミュータント・パニック!』ですよね。
土屋:どのミュータントも個性的で、ミュータントになった理由やきっかけもそれぞれ違いそうで気になりますね。素敵なドラマもありそうですよね。
そんなタートルズと同じミュータント同士ということで触れ合ったり、ミケランジェロのようにバイブスで共感したり、かわいいミュータントもいたり。彼らの存在がこの映画の明るさや楽しさにつながっているのは間違いないと思います。
ーータートルズの4人の理解者であり、一緒に行動することも多い女の子のエイプリルもチャーミングだけどコミカルです。
土屋:エイプリルはこれまでのシリーズでも登場していますが、その中でも一番衝撃的かも。
榊原:まさかあんなことになるなんて。
戸谷:しかもかなり躍動的で。
榊原:収録していた時の絵からかなり躍動感がプラスされているので、大画面で見るのが楽しみ(笑)。
ーー日向坂46の齊藤京子さんがエイプリル役を演じていますが、アイドルで初のアニメの声優挑戦なのにあんなシーンをやらされるなんてかわいそうな気が(笑)。
土屋:タートルズがミュータント化した原因の緑色のドロドロとヒロインが発するドロドロがほぼ同じという(笑)。
戸谷:この映画の型破りさがわかるシーンだと思います。
オマージュ感あふれるアクションは胸アツ!
ーータートルズたちのバトルシーンも手裏剣や長棒を使ったり、カッコいいですよね。
榊原:アクションの迫力やスピード感も見どころです! 収録用のリハVを見た時から「すごい映像になるはず」と予感していましたが、予告編を見た瞬間、「こんなにハイクオリティな画質で、あんな動きをするんだ!?」と想像以上の出来で驚きました。タートルズのみんなもカッコよく戦っていたので、映画をご覧になってくださる方にも「すごかった」ときっと思ってもらえるのではないでしょうか。
ーーアクションといえば、スプリンターが4人に武術を教えるきっかけを説明しているシーンで、過去の空手やカンフー映画が流れたのも嬉しいサプライズでした。
土屋:オリジナルではジャッキー・チェンさんがスプリンター役の声をあてていますが、そのジャッキーさんの映像も流れたのもドラマティックでした。ジャッキーさんは誰にもできないアクションやスタントをご自身でされてきて、まさにアクション映画の第一人者と言ってもいいくらいの方で。
そんなジャッキーさんも師匠の年代になったんだなと。今回の映画でも活躍するシーンがありますが、それもまたジャッキーさんらしいカッコよさで。あとタートルズたちが自動車工場で戦うシーンもジャッキーさん生き写しのアクションですし、倒される敵の動きもまたジャッキー作品のようです。ジャッキーさんのファンの方にはオマージュだなとすぐにわかると思うので、ジャッキーさんファンは絶対に見ないといけません! 僕らが声をあてている吹替版と、ジャッキーさんの声が聞けるオリジナルの両方共、見てほしいです。
榊原:今回のストーリーはどの段階で決まったのかな? 最初からジャッキーさんがいないと成り立たなかった気がする。
戸谷:最初からオファーがあったのかな?
宣伝担当:制作陣がジャッキーさんのファンだったらしくて。
土屋・戸谷・榊原:なるほど!
ーーでは改めて、この映画の見どころと注目ポイントのご紹介と皆さんへメッセージをお願いします。
戸谷:じゃあプロの『タートルズ』ファンは最後で。
榊原:そうそう。
土屋:そんな~。
榊原:では僕から(笑)。この映画は元々、『タートルズ』ファンだった方には、「らしいけど。何か違うぞ?」と思わせてくれるし、僕自身もヒーローとして捉えていて『タートルズ』がより身近に感じられました。初めて『タートルズ』に触れる方にも4人の瑞々しいティーンエイジ感に懐かしさを感じたり、共感していただけると思います。
4人と一緒に笑って、一緒に悩んで、一緒に敵や困難に立ち向かう感覚で楽しめる映画になっていると思うので、皆さんもタートルズの仲間や兄弟になったつもりで、心の中で一緒に笑って、泣いて、騒いで、彼らと同じ青春を映画の中で過ごしていただけたらと嬉しいです。
戸谷:この映画のコンセプトの1つである「ティーンエイジ」は、今まさに10代を楽しんでいる人、かつて10代だった人だと思います。誰しもが体験しているし、悩んだ時や壁にぶつかった時に励ましたり、一緒に戦ってくれる仲間の素晴らしさだったり、共感できるところが多くて。また4人がわちゃわちゃとはしゃぎ合ったりするギャグシーンもおもしろくて、演じる僕らも笑顔になれるくらい楽しめました。
そして4人が立ち向かう敵がニューヨークどころか地球の危機につながるスケール感にドキドキしたり、ミュータントへの人間の目線や関係性を見て考えさせられたり、素晴らしいエンターテインメントになっています。(ミケランジェロの声で)「ヴァイブス上げていこうぜ!」。
土屋:『タートルズ』ファンの方には久しぶりの映画で、新しい映像表現ということで、きっと楽しんでいただけると思います。まだ『タートルズ』に触れたことがないという方にオススメの映画です。アニメということでアメコミタッチになっているし、キャラクターみんな、かわいくて。あと映画の中で流れるヒップホップの音楽もカッコいいので、ヒップホップ好きの方にも見てほしいです。映画館の良い音響施設で重低音を体中で感じながら、心の中でノってもらえたら。
そしてタートルズがミュータントになったきっかけや意味もちゃんと描かれていて、その状況も前向きに捉えて、行動している姿を見たら背中を押されたり、勇気をもらえるはずです。
僕個人の希望としては、タートルズ一人ひとりがかなりしゃべるし、4人同時にしゃべったりして、僕らもかなり頑張ったので、願わくば1人ひとりのセリフ全部聞き取ってほしいです。
榊原:我々が元の映像を見ながら、細かく、キャラの動きに合わせて、「これ絶対聞き取れないだろうな」というところまで頑張って合わせているので。
土屋:でもやってみると結構難しいと思うので、「この日はラファエロに注目する日」とか決めて、最低4回は見ていただけたら(笑)。
戸谷:これ1回ではもったいないし、続編への希望も感じられる内容だったから、皆さんの応援次第で次もできるかも?
土屋:ぜひ劇場に足を運んでください。タートルズたちも皆さんと会えることを楽しみにしています。
[取材・撮影/永井和幸]
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あらすじ
キャスト
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.