秋アニメ『るろうに剣心－明治剣客浪漫譚－京都動乱』緋村剣心役・斉藤壮馬さん×巻町操役・山根綺さんに聞く第二期注目のキャラクターは？｜志々雄真実はある意味で、物語の主人公なのかも

「納得してもらえる芝居をしなければならない」というプレッシャーを感じていた

――アフレコ現場の雰囲気についてもお聞かせください。斉藤さんは第一期の頃と比べて変わった点などを感じていましたか？

斉藤：第一期のときは剣心組と非常に和気あいあいとしながら収録をしていました。第二期からは剣心組と別行動になってしまい、序盤は操や斎藤一とのシーンが多いので、雰囲気もどうなるのかなと思っていたんです。ただ不思議なもので、メンバーが変わることで、かけ合いの雰囲気やリズムは変わってくるのですが、全体的な雰囲気はやっぱり『るろうに剣心』なんですよ。総じて、みんながいい人で、穏やかな現場でした。

　
山根：先輩方が本当に優しくて、全員が全員を思いやっている現場でした。気持ちが「ずーん……」となってしまうシーンでも、休憩中にはすごく笑顔が溢れていて、和やかな空気が流れていたんです。

斉藤：笑顔の絶えない現場です。

――雰囲気のよさが伝わってきました（笑）。山根さんは昔自分が読んでいた作品に参加されるということでの緊張は、最初の頃は感じていましたか？

山根：もう最初どころではなく、29話目ぐらいまで、アフレコの前日は眠れないくらい緊張していました。たくさんの方に愛されていて期待もされている人気作品ですし、自分以外にも過去に操を演じた方がたくさんいらっしゃるので、「納得してもらえる芝居をしなければならない」というプレッシャーをすごく感じていたんです。

ですが、斉藤さんをはじめ、現場のみなさんが明るく声をかけてくださったことで、「私もここにいていいんだ」と思えるようになって。私は私なりの、好きだった操を演じようと、気持ちを切り替えてアフレコに臨むことができました。

――第二期からは操をはじめ、魅力的なキャラクターが多数登場します。お二人が特に読者のみなさんに注目してほしいキャラクターを教えてください。

山根：私は翁（柏崎念至）です！　本作では、とある方が演じられているのですが、登場一発目の「ひょー！」という叫び声がもう本当に最高でした。真面目なシーンとコミカルなシーンの切り替えも流石でした。

操も真面目に自分の気持ちを吐露したり人に寄りそったりする一方で、「怪鳥蹴り！」ってコミカルな表情を見せるときがあるのですが、それは育ての親の翁譲りだなと演じながら感じていました。二人の関係性にもぜひ注目していただければと思います。

　
斉藤：剣心の声を担当している身としては、やはり志々雄真実になりますかね。立場的には剣心の敵にはなりますが、彼には彼の主義・主張があって、筋が一本通った人物ではあるんです。言葉で人の心をアジテートしていき、十本刀というチームを作って国にあだなしていくという、非常に主人公側ではない美学を感じました。見方によっては、彼もまた、ある意味で物語の主人公なのかもしれません。そんな志々雄を古川慎さんがどう表現されていくのかを楽しみにしていただきたいですね。

――個人的には瀬田宗次郎が大好きです。

山根：分かります！　あの笑顔の中にはどんな過去があるのか知りたいですよね。

――私は瀬田宗次郎になりたくて陸上部に入部しましたから。

斉藤：えっ、まさか縮地を!?

――そうです（笑）。縮地を身に付けたくて。

斉藤：じゃあ、あまりいいタイムが出なかったら、「今のは3歩手前なんで」みたいなことを言っていた（笑）？

――そうですね（笑）。縮地もそうですが、本当に色々な戦い方をする強者が出てくるのも、第二期の見どころな気がします。

　
斉藤：そうですね。戦いがよりダイナミックになっていくので、アニメ映えもするんじゃないかなと思います。実は僕も瀬田宗次郎が好きなんです。山根さんがいつも好きな十本刀を瀬田宗次郎と答えるとき、隣で「すごく気持ち分かる」と思っていました。

山根：じゃあ、今日は宗次郎推しが集まっているんですね（笑）。

――確かに！　また、第二期では剣心の師匠である比古清十郎も登場します。彼も非常にインパクトのあるキャラクターですよね。

山根：そうですね。しかも、演じるのが中村悠一さんですからね。

斉藤：最強キャラと言えば、中村さん。

山根：間違いないです。比古清十郎は寡黙で喋らない、ドシッと構えた人だと思われがちですが、剣心と喋っているときは意外とフランクなんですよね。そのギャップの部分も、中村さんのお芝居が素晴らしくて。聞いて、見ていただければ比古清十郎の魅力が分かると思います。

斉藤：比古清十郎は剣心になる前の剣心を知っている人物なんです。そういう人物と関わったときにしか剣心が見せない表情もよりくっきり描かれていくので、注目していただきたいですね。

痛快かつ壮大なバトルシーンも本作の見どころ

――お二人にとって、比古清十郎のような師匠・恩師と呼べる存在はいますか？

斉藤：僕は事務所の大先輩である中尾隆聖さんです。養成所時代にご指導いただいたのですが、隆聖さんには役者として大事なことはもちろん、役者である以前に人であれと言うことを教えていただきました。人として大事な礼節や心構えを教わったので、僕にとっての恩師です。

山根：事務所のマネージャーさん・デスクさんは、なにもできなかった私を厳しく育ててくださって、すごく感謝しています。今もたくさんの方にお世話になっているのですが、恩師と言うなら、以前に声優ユニットをやっていたときのダンスの先生である、まーしー先生です。まーしー先生は、ダンスの技術だけじゃなくて、エンタメ界で生きていくために必要な考え方をぜんぶ叩き込んでくれました。

印象に残っているのは、「また一緒に仕事をしてもらいたいと思ってもらえる人になりなさい」「どんなに大きなステージに立てたとしても、それは作品やコンテンツが積み重ねてきたもの。作ってきたスタッフさんたちの力があって、あなたは舞台で輝くことができているんだよ」という言葉。あの言葉があったから今があると感じていますし、この日々が当たり前じゃないと思えています。

――舞台が京都に移ります。お二人は京都での思い出はありますか？

斉藤：ことしも京都国際マンガ・アニメフェア（京まふ）で行きましたし、これまでも何度か訪れる機会がありました。10年くらい前ですが、京都に一人旅で行ったこともあるんです。当時は、特に予定を決めずに観光をしていました。人力車に乗ったり、川床でご飯を食べたり、色々な思い出があります。京都は街の雰囲気がすごく好きなので、もっと頻繁に、できれば月1回くらいのペースで行きたいですね。

　
山根：お仕事でも行かせていただきますし、プライベートでも何回も行っているんです。たぶん、関東圏以外でいちばん行っているのは京都なんじゃないかな。私、神社巡りや御朱印集めが大好きで、去年は伏見稲荷大社や八坂神社など、色々なご利益があるところをひたすら回ってお団子を食べて帰るという旅をしました。

――最後に、第二期の見どころをそれぞれからお願いします！

山根：剣心の放つ言葉に操が影響される場面が、どんどん増えていきます。そのなかで、今まで感じたことのない心の揺れ動きがたくさんあって、彼女自身も成長していきます。操が登場して物語をどうかき回していくのか、序盤は特に、二人の出会いによるテンポの変化に注目して見ていただけたら嬉しいです。

斉藤：原作でも屈指の人気エピソードなので、期待値を高く持っている方もたくさんいらっしゃると思います。そういう方々が見て後悔しない内容になっているはずなので、ぜひ楽しみにしていてください。

第二期では、十本刀や志々雄真実といった新キャラクターがたくさん出てきて、剣心たちと相対していきます。そのなかでの人間ドラマ、そして痛快かつ壮大なバトルシーンも本作の見どころになっていると思います。僕もオンエアが楽しみで仕方ありません。ぜひ一緒に第二期「京都動乱」を楽しんでいただければと思います。

　
［取材・文 M.TOKU］

作品概要

あらすじ

幕末の動乱期に“人斬り抜刀斎”と恐れられた維新志士・緋村剣心は、逆刃刀を手に不殺を誓い、流浪人として新しい時代を生きていた。

明治十一年五月十四日、“維新三傑”大久保利通が暗殺される。

時代を再び動かす事件の背後には、明治政府転覆を企てる志々雄真実の暗躍があった。

剣心は“人斬り抜刀斎”の後継者でもあった志々雄を止めるため、神谷薫に別れを告げ京都へ旅立つ。

薫たちとの別れ、そして新たな出会い

さらには、志々雄一派との戦い

己の因縁と不殺の誓いとの間で揺れる剣心

幾多の想いが集う明治剣客浪漫譚、第二章開幕――!