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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
「週刊少年サンデー」で連載中の漫画『葬送のフリーレン』。魔王を討伐した勇者一行のエルフの魔法使い・フリーレンが、人の心を知るために旅をする姿を描いた物語です。
魔王討伐後を舞台とするユニークな設定と静かな世界観ながら心を揺さぶられるストーリーが人気で、2023年にはテレビアニメも放送され、今年アニメ第2期の制作決定が発表されました。
12月25日に発売された「週刊少年サンデー2025年4・5合併号」には最新話となる第140話が掲載。ついに舞踏会当日を迎え、ゼーリエ暗殺計画を阻止するためフリーレンたちは従者として会場へ赴きます。本稿では、SNSの反応を交えつつ140話の内容の振り返りや考察をしていきたいと思います。
※本稿には、140話のネタバレが含まれますのでご注意ください。
普段その真意が読み取れないことが多いゼーリエ。本話ではそんな彼女の意志が垣間見え、「死亡フラグでは?」と読者は彼女の身を案じています。おそらくメンバーの中で最も腕の立つ魔法使いであるフリーレンを任務から遠ざけようとしたり、「私では辿り着けない未来」と発言したりと、彼女自身、自分が死ぬ未来が見えているのかと思うような言動を繰り返します。
しかし、フリーレンの「ゼーリエにはどんな未来が見えているの?」という問いや真意を説明してほしいと頼むゼンゼに対して彼女が明確に回答することはなく、彼女がどんな未来を描いているのかはわからないまま。
読者が注目したのは今回集められた一級魔法使いたちが試験に合格した際の回想シーン。彼らが特権としてもらった魔法が明らかになり、それぞれの暗い過去が浮き彫りに。ユーベルは「姉が見つかる魔法」、ゼンゼは「ぐっすり眠れる魔法」、ラントは「家族の遺体を探す魔法」です。ラントの家族については序盤でもゼーリエが発言していました。
「ラント、元々は帝都に住んでたっぽい?」「任務に出る前に手を合わせてたお墓をおばあちゃんのって言ってたけど、両親はどうしたんだ?」「フラーゼに殺されたの両親っぽいよね」と読者は彼の身の上を考察。
また、リネアールと思われる人物は「声が自在に変えられる魔法」をもらっているようで、ゼーリエの声が出せるようになりたい、とも言っています。「リネアールがゼーリエの身代わりになる説ある?」「声変える魔法、諜報活動にも活かせそう」と彼女の暗躍にも期待が寄せられています。
弟子たちとの思い出を回想するゼーリエの横顔はどこか切なげ。今まで見たことがないような表情の奥に誰にも明かさない真意を秘め、彼女は舞踏会へ赴きます。
キャラクターたちの会話で関係性や人柄が深掘りされた本話。彼らは話をしながら舞踏会に参加する準備を行っています。いつも下ろしている髪を結い上げ、華やかなドレスに身を包む魔法使いたちの姿に「みんなの正装映えまくってる」「髪アップにしたゼーリエ新鮮でいい」「ゼンゼのドレスアップ姿可愛すぎた」と普段と違う姿に読者も注目。
さらに、ラントとユーベルのカップリングに悶えたという読者も。ラントは今回の任務で相性の悪いユーベルと組まされたことを不満に思っている様子。しかし、ゼーリエはその考えを否定し「他の奴が迎えに行っていたら、お前は今回の任務を受けたのか?」と問いかけます。問われたラントの何も言えない様子から、その指摘は図星だったようです。
ゼーリエはユーベルの手綱を握れるようになっておくよう忠告すると、2人は声を揃えて「…手綱?」とぽつり。「どこにあるの、それ。」と訊ねるラントに対し、「捨てちゃったかも。」と返すユーベル。このやりとりが“ランユベ”好きの読者を悶えさせます。「ランユベ尊すぎた」「いいぞゼーリエもっと言って」「大魔法使いから公認いただきました!」「噛み合ってないようで噛み合ってるランユベ大好き」などの声が上がっていました。
いよいよ舞踏会に乗り込む、という場面ですが、次号より休載とのこと。気になるポイントだらけなので、次の展開を考察してみたいと思います。
まずは、戦士ゴリラもとい影の戦士クライスとザインについて。前話でついに本人が登場していることを考えると、舞踏会の場で旧友の再会が描かれる可能性は非常に高いと考えられます。対面した2人はどんな会話を交わすのでしょうか。悲しい再会にならないことを切望してしまいます。
戦闘は大陸魔法協会と影なる戦士、魔導特務隊がぶつかることが考えられます。戦闘そのものの行方も気になるところですが、私が注目したいのは魔導特務隊隊長フラーゼの動向。ゼーリエやラントとの因縁に加え、フリーレンを凌ぐ実力の持ち主であることや影なる戦士と内通している可能性も否定できない彼女。その動向が戦況に大きく影響しそうです。
そして、今後の物語に大きく関わってくるであろうゼーリエ生存の可能性。彼女は自分が死ぬことを想像していないだろうことが感じられると同時に、本話の言動からは心のどこかで死んでもいいとさえ思っているようにも感じられました。おそらく死なずともその身にかなりの危険が迫ることにはなりそうです。その時、弟子たちやフリーレンたちはどのような動きを見せるのか、また、未だ正体が明らかになっていないリネアールについても、この時に素性が明かされることが考えられます。
こう考えるとまだまだ気になることだらけ。次の展開に期待を高めながら、連載再開を待ちたいと思います!
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。