
銀河怪獣×巨大ロボ×人間ドラマ――春アニメ『スノウボールアース』吉永拓斗さん×平川大輔さんが感じた作品の魅力
鉄男を演じるときは負けを少なくし追い込まれている感じを表現しなかった
──この作品は、お二人の会話が多いですが、掛け合いはいかがでしたか?
吉永:読み合わせの香盤表で、ユキオ役が平川さんだと知ったのですが、その少し前に、同じリーディングライブに出演していたんです。それは同じ脚本を2チームでやるというスタイルの朗読劇で、僕と平川さんは別チームだったので、平川さんチームを観劇することができたんですね。でもそのとき平川さんは、マッドサイエンティストのような役をやられていたので、ユキオの温かい感じとまるで違っていたんです(笑)。だから、早くユキオのお芝居を間近で見たいと思って、読み合わせに行ったのを覚えています。
で、実際掛け合いをしてみたら、僕が原作を読んでいたときのイメージ通りすぎて、「ユ、ユキオがいる!」とワクワクしてしまいました(笑)。実際、話数を重ねていくごとに、自分の言葉を受けて、やりやすいように返してくださっているんだというのを感じることが増えていったし、必殺技のセリフを一緒に言うときもすごく助けてくださるんです。僕はまっすぐに鉄男を演じることしかできないので、さまざまな面でサポートしていただいたと感じています。
──平川さんのユキオは、すべてを包んでくれるような温かさがありましたよね。平川さんは掛け合ってみていかがでしたか?
平川:最初のひと言を聞いたときから、拓斗くん本人が持っているハートの部分が、鉄男にすごく溶け込んでいると思いました。それはきっと、この役をやりたいと強く思ったからこその部分だと思うんですけど、役としても拓斗くん本人としても、すごく厚みのあるお芝居と声が届いたので、単純にやりやすかったです。素直に聞いたものを受け取って、ユキオとして返せば成立しちゃうじゃんと思ったので、安心の中でやっていた感じはあります。
あとは僕がユキオとして、どれだけお芝居をコントロールできるか。これだけの熱量のあるセリフに対して、僕がしっかり返していけるかが肝だと思ったので、そこはちょっと緊張する部分もありました。
吉永:嬉しいです。
──ロボットの声というところだと、感情的にならない、みたいな制限はあったのでしょうか?
平川:原作を読んでいたときから、ユキオは「特別にロボ感!」みたいなところも感じなかったので、感情豊かにやらせていただきました。「私、柔軟なAIなのに」みたいなセリフがあったくらいなので、あまりロボットということを意識しないようにはしていたんです。ただ序盤は「心の痛みは感じられても、物理的な痛みは感じない」というのを、少しだけ自分の心に留めておきながら収録に臨んでいました。ユキオとして、鉄男の痛みを慮ることができて、共に泣くことも喜ぶこともできるんですけど、ロボットなので、怪獣にかじられたりしても、それに対する物理的な痛みは感じないので。
──コックピットで会話しているときは、すごく信頼しきった空気が流れているんですけど、戦闘になると、鉄男もユキオも一気にスイッチが入って、声に緊張感と真剣さが生まれるんですよね。その切り替えも、すごくいいなと思いました。
吉永:僕はまっすぐ鉄男を演じながら、ちゃんと考えるようにはしています。鉄男はコールドスリープして8年経っていたて、その間コミュニケーションも取れていなかったので、成長的な部分も止まっているんですよね。なので年齢的には10年前のまま。ただ、人は他者から影響を受けることで成長すると思っているので、もしかしたらもっと前の精神年齢のままで、人とコミュニケーションを取れていない分それは実年齢よりもかなり若いのではないかと思ったので、普段は少し大げさにしゃべるようにしていました。そこから色んなことをユキオと乗り越えて行き、その中で人と接していくうちに、徐々に成長していく鉄男に見えていればいいなと思っていました。
戦いに関していうと、「“救世主”が来たからもう大丈夫だ」と思ってほしかったし、思われる存在でなければいけないと思ったので、負けを少なくしました。追い込まれているという感じを、あまりセリフで表現しないということは意識していたんです。
──確かに鉄男って、戦いになると勝利を疑わないというか、ポジティブですよね。勝つためにあらゆることを考えるところが頼もしいし、これぞ“救世主”だなと思いました。
吉永:確かに、宇宙船が破壊されたときも、本来であればダメだぁとなるところを、地球を救うために銀河怪獣を倒そうという思考になるので、かなり覚悟が決まっていますよね。そこは演じる上でも大切にしなければいけないなと思いました。だからこそ、普通の人間として扱われたい気持ちもあって、そこをユキオが汲んでくれていたのかなと思いました。
──最後に、TVアニメ『スノウボールアース』の魅力と見どころを教えてください。
吉永:世界観が壮大で、迫りくる銀河怪獣も迫力があるので、こんなの倒せるの?と思うと思います。ユキオが戦っているところを見たら、カッコいい!と思うし、音楽も画も全部立体感があるので、世界の広さが実感できるんです。だからこそ人間の無力さや、それでも肩を寄せ合って頑張っているところに、胸打たれるんだと思います。鉄男は“救世主”としての力があるけど、コミュニケーションが取れない人見知り……。だけど、もがきながら頑張っていて、そこにユキオとのドラマがある。なんかすごく満足させられる映像だと思いました。
平川:すごく細かく美しく作っていただいているなと思います。CGならではの滑らかかつ迫力のある戦闘シーンと、ストーリーの中で紡がれていく人間ドラマ。そのバランスが、とても良いんですよね。アニメーションになって色と動き付くことで、原作の温かさ、温度感がより伝わると思ったので、それがこの作品の大きな魅力なのではないかなと思いました。今回もすごく力を込めて作ってくださっているので、ぜひ観ていただきたいです。
吉永:目で見ても音で聴いても楽しめるので、ロボットアニメを観たことがない方でも、きっと世界観に引き込まれて、人間ドラマに感動できるはずです。ぜひ、多くの方に観ていただきたいなと思っています!
[文・塚越淳一]
































