
春アニメ『群青のファンファーレ』宝生迅人役:豊永利行さんインタビュー|競馬学校を舞台にしたヒューマンドラマ。競馬業界のリアルさ、登場人物たちの心の動きに注目!【連載8回目】
水瀬いのりさん演じる霜月えりがすごくいい!
――霜月えり役の水瀬さんにもインタビューさせていただいたとき、豊永さんと同年代としてお芝居をすることがすごく新鮮だったとおっしゃっていました。
豊永:僕も新鮮でした。水瀬さんが演じるえりちゃんはすごく等身大の女の子で、自分が女性であることをわかってる上での行動をよくするんです。要は、女性であることを武器にすることも自分でわかっててやっているので。それがすごくいいんですよ!
予定調和じゃない感じがすごくいいなと思うんですけど、ある種のサバサバ感と言いますか、綺麗なところだけじゃないというか。現代にいる女の子っぽくて僕はすごく親近感が湧きました。
男の子もそうですけど、女の子は美化されがちというか、綺麗さや可愛さを押しがちな気がするんです。でも、えりちゃんはそういうところがない10代の女の子。かつ自分が女性であることを自覚しているみたいなその感じが、すごくいいんですよね……!
――豊永さんの心にかなり響いたようですね……!
豊永:そんな女の子を演じている水瀬さんが僕にとっては新鮮だったので、引き算するお芝居も達者な方なんだなっていうのを改めて感じました。
なので、すごく掛け合いが楽しかったです。抑揚だったり言い回しだったり感情だったりを言葉の音に出して変えていくっていう技術的な部分ではなくて、心だけで芝居をするというか、なるべく口先に技術を使わない、引き算をするお芝居が好きなんです。
――引き算をするお芝居とは?
豊永:技術を引き算していくって意味の引き算です。なので、アニメっぽくないお芝居っていうことですね。僕はなるべく心だけを動かして喋るお芝居が好きでして。水瀬さんだけじゃないですけど、この現場にはそういう方がいらっしゃるので、そこでの掛け合いが楽しかったです。
あと、現場での話なんですが、収録では感染対策でそれぞれのマイクの間をアクリルカーテンで仕切ってあって、マイク前に立つ前まではマスク着用しておくというガイドラインの元で収録しているんですけど、
風波駿役の土屋神葉くんは感染対策にすごく気をつけていたんでしょうね。本番の収録時にマスクを外さずにマイク前で芝居をするという事件がありました。ミキサーさんに収録後、「神葉さん、なんか声こもってません?」って言われて、そこで神葉くんが「僕マスクしたままでした」と気づくという。
え、嘘でしょ?っと思って(笑) 着けていることすら忘れるほど集中していたんだろうなと思いましたけど、神葉くんのお茶目なエピソードです。
――土屋さんのお茶目な天然エピソードは有村優役の矢野奨吾さんからもいろいろとお伺いしております(笑)
豊永:神葉くん、本当に天然なんですよ。なんかそこも駿くんぽいですよね。喋り出した瞬間からだんだん自分が何を喋りたかったのか忘れていくんです。最終的にどこに着地したかったの?っていう(笑) そういうところが僕はすごく好きです。
――豊永さんのツッコミが光りますね。
豊永:現場でもツッコませていただいております(笑)
――豊永さん自身は、乗馬経験はありますか?
豊永:僕は仕事で1回乗ったことがあります。それこそ中学生・高校生くらいのとき、北海道でのロケでした。北海道行きの飛行機の中で北海道PR動画が流れるじゃないですか、あの映像を子役のときにやっていたんです。
――そうだったのですね!
豊永:はい。そのときに、北海道のいろんな場所を紹介するPR動画の中に乗馬体験コーナーがあって、そこで初めて馬に乗りました。ただ怖すぎて、横についてる飼育員さんの言うことしか聞いていなかったです。もう何もできなくてカッチカチの状態でした。
――1回経験があれば、乗ったら感覚が戻るのでは?
豊永:いやー!どうでしょう(笑) 本当に1回体験で乗っただけですし、ジョッキーの方みたいに腰半分、お尻持ち上げて足で鞍挟んでドドドドみたいなことではないので(笑)
でも、駆けているときの気持ちよさはすごくありました。あと、お尻が痛くなるのは本当なんだなと。
――やっぱり痛くなるのですね。
豊永:ガックンガックン上下に揺れるので、思った以上に結構な衝撃でしたね。だからこそ、その衝撃に耐えられて自分の体や姿勢を支えなきゃいけない筋力っていうのはやっぱり物凄い訓練が必要なんだなと思いました。
――騎手の乗り方って異次元ですもんね。
豊永:異次元ですね。風の抵抗を抑えるためになるべく前傾姿勢かつ低姿勢でっていうことなんでしょうね。そこまでではなくても、西部劇に出てくる人くらいに操れたら楽しいだろうな……。
――確かに! ぜひキャストの皆さんで乗馬の企画を!
豊永:そうですね。アニプレックスさんよろしくお願いします!
――最後になりますが、見どころをお願いします。
豊永:『群青のファンファーレ』は競馬学校を舞台にしたお話です。というところだけ聞くと、なんか硬そうとか真面目そうとか思うかもしれないですけど、ドラマのあるストーリーになっていますし、すごく興味深いシーンもたくさんあります。
競馬学校とはいえ、ヒューマンドラマを描いているので食わず嫌いせずに見ていただければ、純粋に人の心の動きに共感できる部分がたくさんあるんじゃないかなと思います。
リアリズムがすごくある作品ですし、おそらく監督はじめスタッフの皆さんもそこを意識して作られているんだろうなと。キャストの面々を見るだけでも、その意識を僕は感じることができました。なので、そういうリアルさがお好きな方にはおすすめできる作品です。
ヒューマンドラマでありつつ、アニメ作品としてのぶっ飛び展開に一喜一憂していただけたら嬉しいですし、競馬学校の厳しさも知ることができます。競馬は賭け事と敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品をご覧いただくと競馬の見方が変わるのではないでしょうか。
みんないろんな辛酸を舐めながら研鑽を積んで生きているんだなというところを感じていただきつつ、もし共感できるところがありましたら、そういう方々の背中を押せる作品になっているんじゃないかなと思います。
インタビューバックナンバーはこちら!
TVアニメ「群青のファンファーレ(ぐんじょうのふぁんふぁーれ)」作品情報
放送・配信情報
4月2日(土)23:30~より放送開始
TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビにて2022年4月2日より毎週土曜23:30~
MBSにて2022年4月2日より毎週土曜27:08~
hTVにて2022年4月5日より毎週火曜25:30~
mitにて2022年4月8日より毎週金曜25:30~
KBCにて2022年4月11日より毎週月曜25:50~
AT-Xにて2022年4月3日より毎週日曜23:30~
グリーンチャンネルにて2022年4月25日より毎週月曜12:30~
ABEMAにて2022年4月2日より毎週土曜23:30~ ※地上波放送同時配信
その他配信プラットフォームにて2022年4月5日より毎週火曜12:00以降順次配信開始
イントロダクション
競馬学校、騎手課程。
全国からを目指す少年少女が集まる狭き門をくぐり、毎朝5時半に検量、厩舎作業、実践的訓練、学科授業といったカリキュラムをこなさなければならない。
「出会ったんです……心からやってみたいことに。」
幼少から15歳に至るまで子役・アイドルとして活動してきた有村優は、競馬場で生まれて初めて目にした生のレースに感動し、プロの騎手を志す。
入学式で優が出会ったのは、ライバルとなる個性豊かな同期生たち。
イギリス出身のエリート、
負けん気の強い一匹狼、
乗馬経験豊富な優等生、
競馬一家に育ったサラブレッド、
データ型の競馬オタク、
稼げる騎手を目指すド根性少女、
そして、優と同じく乗馬経験を持たない島育ちの少年。
数多の試練が待ち受ける3年間、全員が騎手になれるわけではない厳しい環境の中で、彼らはどんな成長を遂げるのか。
競馬に人生を賭けた少年たちの物語が走り出す――!
スタッフ
監督:加藤誠
シリーズ構成:Team Fanfare
メインライター:福島直浩
キャラクターデザイン:かんざきひろ
総作画監督:永作友克
美術監督:大久保知江
色彩設計:岩沢れい子
撮影監督:齊藤慶一(Production I.G.)
編集:右山章太(TROYCA)
3DCG:Peakys
競馬3Dモデル・モーション協力:コーエーテクモゲームス
音響監督:土屋雅紀
音響制作:HALF H・P STUDIO
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:Lay-duce
オープニングテーマ:JO1「Move The Soul」
エンディングテーマ:SawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜&與那城奨 (JO1)「OUTSIDERS」
キャスト
有村優:矢野奨吾
風波駿:土屋神葉
天音・グレイス:花江夏樹
京力秋樹:糸川耀士郎
宝生迅人:豊永利行
桜庭惣司朗:橘龍丸
牧皐汰:小林千晃
霜月えり:水瀬いのり
朝日豊:櫻井孝宏
野平和雄:東地宏樹
北見田子:Lynn
西園寺七緒子:勝生真沙子
久慈凱久:浪川大輔
南原煌成:木全翔也(JO1)
東将基:大平祥生(JO1)