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『うる星やつら』第2期のエンディング映像ができるまで【インタビュー】

『うる星やつら』 第2期 第3クールエンディングスタッフ 刈谷仁美さん×陽子さんインタビュー|可愛さと切なさが融合した唯一無二の“キラキラ”は如何にして生まれたのか?

 

「ひとりでは生み出せない映像が出来た」

ーー今回のED映像は、色彩設計もかなり特徴的だと感じました。

刈谷:色は音楽に合わせて組んでいきました。切ない雰囲気がありつつ、キラキラも感じるようなメロディーだったので、そっちに寄せてみようかなと。背景のビビッドな差し色に関しては、背景美術を担当していただいたさめしまさん(さめしまきよし氏)のアドリブです。自分にはない引き出しだったので、非常にありがたいと思っていました。

 

 

ーー普段陽子さんが描かれるイラストに通じるものを感じていたのですが、それに関しては偶然の一致だったんですね。

刈谷:正確には分からないですが、さめしまさんが陽子さんの絵を見て、色々と判断してくれたのかもしれません。さめしまさんはプロとして何年も実績を積んでいる方なので、背景だけ見ても見劣りしない仕上がりになっていると思います。

陽子:見事な背景ですよね……! 個人的にも「ひとりでは生み出せない映像が出来た」という感覚はとても強いんです。私の絵柄で刈谷さんが作業してくださっているからこそ、普段の刈谷さんの雰囲気とも異なる仕上がりになった気がします。

 

 

ーー多くの人が関わるからこその映像になったと。

陽子:やはりアニメーションはひとりでは組めないので、上がってくる映像を見て、ずっと嬉しい気持ちでした。作業自体は刈谷さんが主導してくださったので、安心感を持って進められたんです。

刈谷:普段のSNSを見る限り、陽子さんは「真面目に丁寧に仕事をされる方なんだろうな」という印象を持っていたので、私も安心感がありました。陽子さんと通話しながら、うる星やつらについて一緒に語っていた時期があったので、その辺りを汲み取っていただけたのも嬉しかったですね。

 

OPからEDまで、全編を通して楽しんでほしい

ーー陽子さんに依頼してから、映像が完成するまでの期間はどれくらいだったんですか?

刈谷:陽子さんにお声掛けしたのはかなり早い段階で、去年の7月頃にDMを送っていますね。作画監督となると多くのカットを担当することになるので、少し余裕を持って押さえておきたいなと。制作期間としては、1〜2ヶ月くらいです。陽子さんの作業自体は9月で終わっていて、アニメを納品したのは10月だったと記憶しています。

 

 
陽子:何度かに分けてお仕事を振ってくださったので、追加分を含めると、大体それくらいの期間ですね。

刈谷:一般的なエンディング映像のスケジュールよりは少し短いと思います。

ーーなるほど。年が明けて、オンエアでED映像が流れた際には大きな反響がありましたね。

刈谷:作っている最中は「ちゃんと完成して放送されるかな?」とか、納期の品質のことばかり考えてしまうんです。取り敢えず無事に公開されて、一安心でした。後追いでじわじわと視聴者の方の感想を見ていたのですが、私自身あまり意識していなかった細かな箇所まで感想を述べている文章など見つけて、作ってるときは部屋の隅っこで細々を作業しているつもりでしたが公開されたら沢山の方々に見ていただいていたんだと改めて実感しました。

陽子:昔から親しんでいた『うる星やつら』に関わらせていただけるなんて、改めて「夢かな?」と感じてしまいました。

 

 
刈谷:陽子さんの絵が動いてることへの歓喜の声を見つけて、私もいちファンとして「わかる!」って。SNSで見かけたEDのファンアートをまとめて、陽子さんに送りつけていたんです(笑)。

陽子:(笑)。刈谷さんから送っていただいたファンアートを見て、ようやく実感が湧いてきました。

ーーお話を伺っていて、互いへのリスペクトに溢れたおふたりの関係性が本当に素敵だなと感じました。最後になりますが、『うる星やつら』とED映像を愛する読者に向けて、一言ずついただけますでしょうか?

陽子:今回のED映像を、みなさんに楽しんでいただけると何より嬉しいです。第2期のキービジュアルに原作で一番好きなキャラクターがいたので、ファンのひとりとして、今後の放送をますます楽しみにしています!

刈谷:全編を通して観ていただきたいですね。本編とは違った絵柄なので、浮いてしまわないかという心配はありますが、OP・本編・EDという流れで楽しんでいただきたいなと思っています。

 

 
[取材・文:小川いなり 編集:鳥谷部宏平 企画:岩崎航太]

 

作品情報

うる星やつら 第2期

あらすじ

「でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。」

地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。二人の出会いからすべてが始まった…!

今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー連載「うる星やつら」。小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!
(第1期:2022年10月より2クール放送)

監督は「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、シリーズ構成に「はたらく細胞」の柿原優子、キャラクターデザインに「おそ松さん」「映像研には手を出すな!」の浅野直之、アニメーション制作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、「炎炎ノ消防隊」のdavid productionが担当。そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を神谷浩史上坂すみれが演じる。

大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。

目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。
ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!

キャスト

諸星あたる:神谷浩史
ラム:上坂すみれ
三宅しのぶ:内田真礼
面堂終太郎:宮野真守
錯乱坊:高木渉
サクラ:沢城みゆき
ラン:花澤香菜
レイ:小西克幸
おユキ:早見沙織
弁天:石上静香
クラマ姫:水樹奈々
温泉マーク:三宅健太
尾津乃つばめ:櫻井孝宏
面堂了子:井上麻里奈
あたる父:古川登志夫
あたる母:戸田恵子
ラム父:小山力也
ラム母:平野文
テン:悠木碧
藤波竜之介:高垣彩陽
竜之介の父:千葉繁
水乃小路飛麿:梶裕貴
しゅがあ:久野美咲
じんじゃあ:森永千才
ぺっぱあ:高橋李依
水乃小路飛鳥:M・A・O
水乃小路父:桜井敏治
水乃小路母:三石琴乃
真吾:島﨑信長
諸星こける:くまいもとこ
望:石見舞菜香
潮渡渚:村瀬歩
渚の父:坂口候一
因幡:入野自由
ルパ:中村悠一
カルラ:水瀬いのり
ウパ:チョー

(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
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