『逃げ上手の若君』逃若党の軍師・吹雪の情報まとめ

『暗殺教室』や『魔人探偵脳嚙ネウロ』で知られる漫画家・松井優征先生の作品『逃げ上手の若君』。「週刊少年ジャンプ」にて2021年から連載中で、2024年7月よりアニメの放送が始まった今期注目作のひとつです。

本作は、滅亡した鎌倉幕府で1人生き残った幕府の跡継ぎ・北条時行が、“逃げ隠れ”の才能を活かし、鎌倉奪還のため厳しい試練と戦いに身を投じていく物語。

本稿では、逃若党の軍師・吹雪（ふぶき）の情報を一挙にお届け！その強さに加え、性格や人柄、時行の郎党となった経緯などを交えて解説していきます。

基本プロフィール

冷静沈着な逃若党の軍師。豊富な軍略の知識と戦況を分析する力で的確な戦略を立てる策士。二刀使いで戦闘能力も高く、複数人の大人を一人で倒してしまう程の実力を持つ。人に教えることも上手で、非の打ち所がないように見えるがとんでもない大食いで、空腹にはめっぽう弱い。
　

　

軍略、戦闘、指導……どれもトップレベル！

10代半ばの若さである吹雪はまさに才能の塊です。まず注目すべきは軍師としての能力。地形や戦況、兵の数や個々人の能力など様々な要素を冷静に分析して、的確な戦略を立てることができます。時には大人をも凌駕する打開策を打ち出すことも。

次は戦闘。速く自在に操る二本の刀と体術を交えて戦うスタイルで、大人数人を一人で相手取ることも可能。戦闘中でも頭は常に冷静で、相手をよく観察したうえで弱点を突きます。

さらに、人に教える能力や洞察力もあり、その力で人の才能を見抜いたり、教え育てることも得意としています。まさしく“できる男”吹雪……その将来が楽しみで仕方ありません。
　

弱点は空腹

能力だけ見ると完璧に見える吹雪ですが、驚くほどの大食いで空腹が弱点。お腹がすいてしまうと戦場であっても力が出ずヘロヘロに。軍師として常に頭を回転させているからかなかなかの燃費の悪さです。しかし、完璧に見える吹雪の人間らしさが垣間見え、魅力に感じる方も多いのではないでしょうか。

また、子供の頼みにも逆らえないという情に厚い一面も。冷静さを持ちつつも決して冷徹ではなく、名前に反して温かさを持った人物なのです。

時行の郎党となるまで

小笠原の不穏な動向を偵察するため、国境である諏訪領の北端・中山庄に赴いた逃若党。そこで吹雪と出会った時行たちは、辺境の村が何度も敵兵に襲われ大人が全員殺されていたことと偶然その村を訪れた吹雪が遺された子供たちと協力して村を守っていたことを知ります。

すぐにまた敵が攻めてくるであろうこの村を守るため吹雪の戦略で準備を進める逃若党。その合間に時行は吹雪に剣術の指南を受け、“鬼心仏刀”という技を伝授されます。一方、時行の素性を知らない吹雪はその人柄と彼に隠された何か大きな秘密に惹かれていきます。

吹雪の予想通り翌日には敵の本軍が攻めてきたものの、彼の戦略が見事にはまり、兵は少数ながら防衛線を張ることに成功。さらに、敵幹部の3人を弧次郎、亜也子、吹雪で撃破し、時行は“鬼心仏刀”で見事に敵大将・瘴奸を下します。

無事村を守り切った時行は、吹雪に素性を明かし郎党に勧誘。天下を狙える主君を探していた吹雪は、予想の遥か上をいく時行の正体に驚愕しつつも、郎党として彼に仕え天下を目指すことを決めたのでした。

「小手指ヶ原」での会戦で活躍！

満を持して素性を明かした時行は、諏訪頼重とともに兵を率いて信濃を出発し鎌倉を目指します。順調に敵軍を撃破しながら進む北条軍は広い平地「小手指ヶ原」で、足利の大軍と会戦します。

「士気獲競馬の計」で味方の指揮を百倍に！

敵軍の将・今川範満（いまがわのりみつ）は馬の力を驚異的に引き出し、圧倒的な機動力で戦場を駆け回り、進路の北条軍を蹴散らしていきます。味方の兵たちは化け物のような突撃に怯え、どんどん士気は下がる一方です。

そこで吹雪が出した策は、時行が馬に乗り今川の前を駆けるというもの。子どもである時行が大人用の名馬に乗れば体重が軽い分、今川とも張り合える速度が出せます。

今川の注意を時行に向かせて後を追わせることで、味方へ注意喚起が可能になり、さらに大将である時行が今川よりも速いことを印象付けることで、味方の士気は高まっていくのです。名付けて「士気獲競馬の計（しきどりけいばのけい）」！

戦場で突然始まった競馬に皆が注目する中、吹雪は玄蕃の変装を使って足利兵の集中を乱したり、今川に用意されている馬換え場を潰したりと策を畳みかけていきます。

時行に捧げる必殺技

換え馬を失った今川でしたが、さらに奥の手を使い時行に襲い掛かってきます。しかし、そこを叩いたのは吹雪。どこにでも助けに行けるよう競馬の進路の真ん中で準備をしていたのです。

吹雪は今川の脚と鞍を固定している紐を断ち切って、自在の騎乗を不可能にした後、そこにできた隙に必殺技「凶（さかさきょう※実際の字は“凶”が逆さ）」を打ち込みます。

吹雪の尽力により敵将を敗ったことで、北条軍の士気は一気に上昇し、そのまま勝利を収めたのでした。

足利方の下級武士の子 ※ネタバレ注意

時行の郎党となるまでは仕える主人を探して各地を放浪していた吹雪。その素性は足利方の下級武士の子だったのです。彼の武術も兵法も「足利学校」と呼ばれる武士養成所で学んだものでした。

吹雪は息子の出世に病的に執着する父によって、昼は学校へ行かされ、夜は鍛錬という名の酷い体罰を受け続けていたのです。とうとうその過酷すぎる生活に耐えられなくなった吹雪は、父を殺して出奔。しかし、1人になってからも天下を支えるという目標は捨てられず、才能を活かせる場所を探して彷徨っていたのでした。

時行と出会って厚い信頼を寄せられるほど、宿敵側の人間だったとは言い出せなくなった吹雪は、ずっと素性を隠し続けていたのでした。

素性を明かし謝罪を受けた時行は、彼を許しこれからも変わらず信頼することを約束します。時行の優しさと深く大きな懐に触れた吹雪は涙を流すのでした。
　

悲しい別れ ※ネタバレ注意

見事鎌倉奪還を果たした北条軍でしたが、時行が故郷を懐かしむ暇もなく足利軍に攻め入られます。北条軍は必死に抵抗し、一時は押し返すも宿敵・足利尊氏の人間離れしたカリスマ性に当てられ、味方の兵たちは次々に降参。

そして、吹雪も不可思議な尊氏の魅力に強く心を囚われてしまい、吸い寄せられるように自ら足利の元に行ってしまいます。引き留める時行の声は耳に届いておらず、瞳は焦点が合っていない状態です。

吹雪は他の降参兵よりも尊氏の力に強く当てられており、そうなる者は以前にもその力を浴びているか、心に強い飢えがあるのだと言います。足利学校時代に吹雪の才能に目をつけていた尊氏の執事・高師直は、「高師冬（こうのもろふゆ）」という名を吹雪に与え、自分の猶子として迎え入れます。こうして吹雪は時行の元を去ってしまったのでした。
　

声優は戸谷菊之介さん

吹雪を演じるのは戸谷菊之介さん。1998年11月30日生まれ。『チェンソーマン』のデンジ役をはじめ、『ウインドボーイズ！』の清嶋桜晴役など、数々の人気キャラクターを演じています。

冷静沈着でちょっと不器用な策士・吹雪

軍師、武士、そして教育者としてマルチな才能を発揮する吹雪。時行にとっては郎党でありながら、剣技や戦の師でもある人物です。お腹が減るとたちまちヘロヘロになってしまう完璧すぎないところも彼の魅力。才能が光る吹雪の活躍をお見逃しなく！
　

作品情報

作品名	逃げ上手の若君
スケジュール	2024年7月6日（土）〜 TOKYO MX・ BS11ほか
あらすじ	時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。
キャスト	北条時行：結川あさき雫：矢野妃菜喜弧次郎：日野まり亜也子：鈴代紗弓風間玄蕃：悠木碧吹雪：戸谷菊之介諏訪頼重：中村悠一足利高氏：小西克幸小笠原貞宗：青山穣諏訪盛高：石黒史剛市河助房：山本高広瘴奸：東地宏樹
スタッフ	原作：松井優征（集英社「週刊少年ジャンプ」連載）監督：山﨑雄太シリーズ構成：冨田頼子キャラクターデザイン：西谷泰史副監督：川上雄介プロップデザイン：よごいぬサブキャラクターデザイン：高橋沙妃色彩設計：中島和子美術監督：小島あゆみ美術設定：taracod　takao 建築考証：鴎利一タイポグラフィ：濱祐斗特殊効果：入佐芽詠美撮影監督：佐久間悠也 CGディレクター：有沢包三　宮地克明編集：平木大輔音響監督：藤田亜紀子音楽：GEMBI　立山秋航音響効果：三井友和制作：CloverWorks
主題歌	OP：「プランA」DISH// ED：「鎌倉STYLE」ぼっちぼろまる