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- 阿部裕華
- アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター
ーー典坐が生を全うする8話のアフレコはいかがでしたか?
小市:お前何目線やねんって感じなんですけど、典坐のお芝居が本当によくて……! 思い出しても涙ぐんでしまいます。
小林裕:アフレコが終わった後、小市さんから「本当にすごかったです」と言ってもらえて、僕も「『地獄楽』に出演して一番良かったのは小市さんと一緒にお芝居ができたことかもしれない」と言ったんですよ。アホかって感じなんですけど(笑)。
小林親:めちゃめちゃ尊いやん!
小市:それを言われてまた涙が出てきました。泣きながらお母さんに話しましたもん、「こんなこと言われたんだよ~」って(笑)。
小林親&小林裕:あははは(笑)。
小林親:いいな、いいな……。
ーー親弘さんもアフレコをご一緒したのでは……?
小林親:実は一緒に録れなかったんですよ……。結局スケジュール合わなくて。なので、2人の音声を聞きながら一人で録りました……。弟子の死に際に直接声をかけることもできなかった……という気持ちに。
小市:逆に気持ちは乗りそうですけどね!でも親弘さん、アフレコ前に「みんなで頑張ろう!」って言っていたのに……。
小林裕:「アフレコが終わったら飲みに行こうよ!」って言っていたのに……。
小林親:僕が1番言っていたのに……。
小市:気合を入れてアフレコ現場に行ったら……。
小林親:いねえじゃねえか!ってね(笑)。
小林裕:頑張って親弘さんがいる時にスケジュールを合わせて、再録でも構わないから一緒に録りたいと最初は言っていたんですけど、いざ録り終えたら抜け殻になり過ぎて「出し切ったからもういいや……」となりました(笑)。もう一度録るとなるとなぞりにいっちゃいそうだから。
ただ、典坐とヌルガイの掛け合いだけでも涙したので、士遠の声が入った100%の完成版をオンエアで見たらより泣けると思うんですよ。倍美味しいかもしれないと思います。
小市:そうです、そうです。放送が楽しみ!
小林親:そう言ってもらえたら浮かばれますよ。僕もお母さんに言おうと思います。
一同:あはは(笑)。
小林親:2人のお芝居を聞きながらアフレコをしたけど、本当にとっても良かったですよ。
小林裕:嬉しい……。僕もお母さんに言っておきます。
小林親:みんなで言おう(笑)。
ーーここからは『地獄楽』にちなんだ質問をさせていただきます。お三方がもし死罪人になって神仙郷に行くとしたら、どの執行人と組みたいですか?
小林裕:僕はもちろん士遠がいいですけど、ちょっと違う意見を出した方がいいと考えると……まず桐馬は兄さんと以外、組まないでしょう?
小市:相手が兄さんじゃなかったら神仙郷にさえ行かないですよね(笑)。
小林裕:そうそう(笑)。なので、佐切かな……。
小林親:佐切はいいかもね。情があるから急に切り殺されはしなさそう。
小市:たしかに! それなら衛善(演:古川慎)さんも話を聞いてくれそうですね。情に熱いというか、ヌルガイのように「本当は悪いことをしていない」タイプだったら衛善さんはありかも。
小林裕:衛善はすごくできた人だし、死んでいるにも関わらず回想でちょいちょい出てくるくらいには山田浅ェ門の人たちの心に残っていますし。あとは試一刀流一位ですから、剣の腕という意味でも衛善はいいかも。付知は扱いが難しそうだし……。
小林親:話しかけ方によっては殺されそうだね。
小林裕:ぽろっと言ったことで気が付いたら剣を抜かれていそう(笑)。
小市:自分が強ければ付知でもいいんですけど、自分が強くない場合は不安かな……。
小林裕:でも、島に行くための殺し合いを生き延びているはずだから、そこそこ強いと思うよ?
小林親:設定をちゃんと守っているのね(笑)。
小林裕:守っていますよ(笑)。
小林親:でも、それなら付知もありだな。
小市:どうしてもヌルガイの気持ちが入っているから、典坐がいいなと思っちゃいますね。不安だと思っている時に「大丈夫っすよ!」と言ってくれそうだし、一番楽しく一緒にいられる気がするので。役から一歩引いて考えたら衛善ですかね!
ーーそれでは、逆に皆さんが執行人だった場合、どの死罪人と組みたいですか?
小林親:難しいな……。自分が衛善くらい強くても難しい(笑)。
小林裕:画眉丸なんて絶対に無理だし。
小林親:弔兵衛も即死コースでしょう? 船の上で法流坊を殺していたしね。
小市:画眉丸よりも無慈悲ですよね。
小林裕:巌鉄斎は賑やかそうでいいかも。
小林親&小市:たしかに!
小林裕:執行人に対しても「邪魔しないなら面倒だから殺さねえよ」というスタンスでいそう。何より愉快ではありそう。
小市:意外と切れ者ですしね。蝶に刺されたことをすぐに察して腕を切り落とすような人なので。
小林裕:まあでも安心できるのはヌルガイしかいないのよ。
小林親:あとはみんなヤバいな(笑)。
小市:そうですよ! 何を悩むことがありますか!
小林親:よくよく考えると、画眉丸は上手く関係性が築ければ強いからいいな……。
小林裕:もし既婚者なら話が合うかもしれないですよね。
小林親:そうなのよ。「一緒に妻のところに帰ろうな」って会話ができそう。
小林裕:フラグがめっちゃ立っていますけど(笑)。
小林親:そうね(笑)。でも、めちゃめちゃ強くて妻がいる設定ということで、僕は画眉丸にします!
小市:私は一周回ってあか絹がいいかも。あか絹って男しか殺さないんですよ。だから一緒に旅をすることは安全だと思って。女子トークを弾ませたい!
小林裕:おお……えぐい話が出てくるぞ。でもめっちゃ楽しそう。
小市:「仙薬を手に入れたら何するー?」とか話したい。
小林親&小林裕:ギャルみたいな会話(笑)。
小市:もちろんヌルガイが1番ですけど(笑)。旅が盛り上がる可能性があるのは、あか絹かなと!
ーー『地獄楽』に登場するキャラクターたちは一人ひとり信条を持って生きています。それにちなみ、お三方の持つ信条やお芝居に対するこだわりを最後に教えてください。
小林裕:“自分のために生きること”“人のせいと言い訳にしないこと”は常に忘れないようにしています。人に何かする時も“人のため”ではなく、“自分のため”にする。そのマインドでいるとトラブルがあった時も傷つかずに気持ちがすぐに切り替わるんですよ。
よく「現場の空気を良くしてくれて嬉しいです」と言ってもらえることがあるのですが、一番にあるのは「自分が仕事のしやすい環境をつくりたい」という気持ちなんですよね。何事にも意外と冷静かもしれません。
小林親:そう生きようと決めたのには、キッカケがあったの?
小林裕:声優になろうと決めた時かもしれません。社会人を辞めて声優になったので、親を含め人に迷惑をかけて生きなきゃいけないタイミングがあったんですよ。その時、「誰に言われたからではなく、間違いなく自分で決めたことだから」と思ったことがキッカケなのかなと。
小林親:すげえかっこいいね。今日から真似してもいい?(笑)
小林裕:(笑)。
小市:そのマインドはいいですね。
小林裕:すごく楽になるよ!
小林親:僕は信条は思い浮かばないのでお芝居のこだわりを話すと、なるべくドキュメンタリーに近く演じたいと思っています。もちろん作品によってはドキュメンタリーのような演じ方だとイメージがズレてしまうから、そういう場合は別ですけどね。いろいろなお芝居の経験やいろいろ見てきた中で、なるべくリアルなお芝居をしたいと決めています。
小市:皆さんもやられていることなので信条とは違うと思うのですが、原作がある作品はファンの人たちがどういう声を求めているのかを意識するようにしています。自分本位にならずに作品によって、例えばポップなトーンに寄った方がいいのか、ナチュラルなトーンに寄った方がいいのか、都度考えて変化させていくことはこだわっているかもしれません。
[インタビュー/阿部裕華 写真/胃の上心臓]
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター。Webメディアのディレクター・編集を経て、フリーライターとしてエンタメ・ビジネス領域で活動。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。