ナツキは動物と会話できないからこそ、見ている人が一番共感しやすいかもしれない――『わんだふるぷりきゅあ！ざ・むーびー！ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険！』ナツキ役・花澤香菜さんインタビュー【連載第1回】

ナツキは基本しっかりしているけれど、タヌちゃんのことになると等身大に

――演じるときに意識された点などをお聞かせください。

花澤：ナツキちゃんのしっかりしている感じは意識しながらやっていました。【ドキドキ♡タヌキングダム】がバグを起こして動揺するシーンがありましたが、そのときに「もうちょっと落ち着いてください」というディレクションをいただいて。私の思っている以上に頼もしい女の子だなと思いました。

あと、タヌちゃんとの思い出の回想シーンがあったところでは、今はゲームクリエイターとして自立しているけれど、小学生のときは内省的な、いつも下を向いて歩いているような性格だったということがわかって。そこからタヌちゃんとお友達になって、自分の好きなことを突き詰めていくようになったと知って、「ナツキちゃんにとってタヌちゃんは本当に大切な友達だったんだな」ということもわかったので、そのあたりも意識しながら演じました。なので、タヌちゃんが出てくるシーンは等身大の女の子に戻って、めちゃめちゃ動揺するし、すごく想っているし、といった部分も大切にしました。

――出演にあたり、TVシリーズの「わんだふるぷりきゅあ！」はご覧になられましたか？

花澤：（キャラクターたちの）年齢感などを確かめるために見ましたが、「かわいいっ！」って。「犬とプリキュアが混ざると、こんなにかわいいのか!?」とまんまとハマってしまいました（笑）。

こむぎちゃんたちは中学生ということで、ご覧になっているお子さんたちからすれば結構お姉さんなので、しっかりめに役作りされているのかなと感じました。なのでナツキちゃんも、「もうちょっと大人でもいいのかな」と参考にしたり、予習をして収録に臨みました。

――相手と戦わずに沈静化させて元の姿に戻すというところも、「プリキュア」シリーズでは珍しいですよね。

花澤：人情派でいいですよね（笑）。ご両親も安心して、お子さんに視聴させることができると思います。

――今作は「ひろがるスカイ！プリキュア」「魔法つかいプリキュア！」とのコラボもお楽しみの一つですが、感想をお聞かせください。

花澤：お祭り感があって、いい企画ですよね。好きな作品が終わってしまうと、「あのプリキュアとはもう会えないのかな？」と寂しさを感じてしまうと思いますが、こういう形でまた登場してくれるときっと嬉しいでしょうし、（物語的に）大切なシーンで登場するので、ファンの方だけでなく、こむぎちゃんたちにとってもきっとありがたい存在だと思います（笑）。

――出演された作品以外で、「プリキュア」シリーズをご覧になったことはありますか？

花澤：一番最初の「ふたりはプリキュア」は、リアルタイムで見ていました。今回久しぶりに「わんだふるぷりきゅあ！」を見ましたが、「プリキュア」シリーズを見ていたら、ずっと習慣的に見てしまうんだろうなと思いました。

今作を見て思ったのは、お子さんと一緒に見ているお父さんやお母さんは「犬や猫を飼いたい！」とせがまれているんだろうなと（笑）。でも逆に、動物を飼いたいなと思っている人はお父さんやお母さんにこのアニメを見せると、いい効果が得られるのでは、とも思いました。ちょうど日曜日の放送なので、見た後にペットショップに行く流れもできたりして（笑）。

ナツキは動物と会話できないからこそ、見ている人が一番共感しやすいかもしれない

――今回の映画の台本を読んだり、演じてみた感想をお聞かせください。

花澤：自分の経験と重なるところがたくさんあったので、私と同じように、（キャラクターと）自分と重ねて見る方も多いんだろうなと思いました。ナツキちゃんとタヌちゃんは会話はできないので、見ている人と一番近い感覚なんじゃないかなと。そんな二人にプリキュアたちが「あなたたちの心はつながっているんだよ」と真っ直ぐな目で言ってくれるので、私も「嬉しいな」と思ってしまいました（笑）。

――収録はどなたと一緒だったんですか？

花澤：タヌちゃん役の三宅（健太）さんと一緒に収録しましたが、すごく良かったです。タヌちゃんが暴走状態になったときに、街をなぎ倒したりするんですが、破壊したくてやっているわけではなくて、ひたすらナツキちゃんを探しているだけで。それをセリフではなく、うめき声だけで表現されていて。それが心に刺さるうめき声で、それを聞いて最後のシーンの収録に臨めたのでやりやすかったです。

――序盤から悪気がなく、ただ寂しがり屋なだけだとわかるので憎めないし、せつなさも感じました。

花澤：「誰も悪くない」というところがせつないですよね。三宅さんのお芝居でせつなさがより増していて。終盤は素敵なシーンになっているので、注目していただければと思います。

――もしアニマルタウンで暮らすとしたら、どんな動物を飼いたいですか？

花澤：家でトカゲを飼っているので、彼らがしゃべれるようになったらいいですね。でも爬虫類はアニマルタウンに置いてくれるのかな？（笑）

爬虫類って本当に何を考えているのかわからないんですよね。もしかしたら何もしゃべらないかもしれないけど（笑）。話すところを見てみたいです。

――「わんだふるぷりきゅあ！」のTVシリーズに出るならトカゲ役ですね。

花澤：いいですね。でもあの世界には合わなくないですか？　絶対悪いことしそうだし（笑）。

――作品全体の見どころと演じるキャラ的な見どころ、それぞれのご紹介をお願いします。

花澤：まずは【ドキドキ♡タヌキングダム】の中でのプリキュアたちの活躍ですね。結構ハラハラする一方、かわいらしいものにもなっていますし、タヌちゃんも暴走しますが、私的には推しキャラなので（笑）、タヌちゃんの活躍も見てほしいです。

あとはナツキちゃんの気持ちが、プリキュアのみんなによってどう変わっていくのかはしっかり見届けてほしいです。

――では最後に、映画の公開を楽しみにしている「わんだふるぷりきゅあ！」ファンの方にメッセージをお願いします。

花澤：動物たちとプリキュアが合わさると、あんなにもかわいくて、ワクワクするものになるんだと、皆さんは私よりもずっと前から知っていたんですよね。そんなかわいくて、ワクワクさせてくれるプリキュアたちが今度は劇場の大スクリーンで見られます。

今回は動物たちと話せない女の子のナツキちゃんがゲストで登場するので、皆さんと同じ目線でこの世界観に入っていけると思います。ぜひナツキちゃん目線でこのプリキュアの世界に入ってみてください。

作品概要

あらすじ

大人気ゲーム【ドキドキ♡タヌキングダム】で遊ぶため、こむぎ、いろは、ユキ、まゆ、大福、悟が大集合！
みんな仲良くゲームスタート！のはずが...
あやしいタヌキがいるゲームの世界に吸い込まれちゃったみたい...。
さらに大ピンチ！こむぎは、いろはやみんなと離れ離れになっちゃった...！？
「ずっとずっといろはの隣にいたいんだワン！」
大好きないろはに会うために、こむぎはいろんなゲーム対決に挑戦することに！
一体どうしてこんなことに...？ゲームの世界に隠された秘密ってなに...？
手がかりはゲームをつくった少女・ナツキが握っていて――。
「ひろがるスカイ！プリキュア」と「魔法つかいプリキュア！」も大集合！
みんなの想いがひとつになった時、わんだふるな奇跡が巻き起こる！？

キャスト

犬飼こむぎ／キュアワンダフル：長縄まりあ
犬飼いろは／キュアフレンディ：種﨑敦美
猫屋敷ユキ／キュアニャミー：松田颯水
猫屋敷まゆ／キュアリリアン：上田麗奈
ソラ・ハレワタール／キュアスカイ：関根明良
虹ヶ丘ましろ／キュアプリズム：加隈亜衣
夕凪ツバサ／キュアウィング：村瀬歩
聖あげは／キュアバタフライ：七瀬彩夏
プリンセス・エル／キュアマジェスティ：古賀葵
朝日奈みらい／キュアミラクル：高橋李依
十六夜リコ／キュアマジカル：堀江由衣
花海ことは／キュアフェリーチェ：早見沙織
モフルン：齋藤彩夏
兎山悟：寺島拓篤
兎山大福：中村悠一
メエメエ：立花慎之介

【ゲスト声優】
タヌキ・ポンタ：後藤淳平（ジャルジャル）
タヌキ・ポコタ：福徳秀介（ジャルジャル）
ナツキ：花澤香菜
ムジナ：三宅健太

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